北見市議会 > 2007-09-08 >
03月08日-03号

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  1. 北見市議会 2007-09-08
    03月08日-03号


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    最終取得日: 2022-12-03
    平成19年第1回 3月定例会〇議事日程日程 番号事件番号内  容  等第1  会議録署名議員の指名について第2  平成19年度市政執行方針に対する質疑並びに一般質問について     ──────────────〇会議に付した事件 議事日程に同じ     ──────────────〇出席議員(32人)    1番       熊 木   喬    2番       有 城 正 憲    3番       山 崎   泉    4番       清 水 拓 也    5番       村 田 光 成    6番       大竹口 武 光    7番       後 藤 美智子    8番       北 口 孝 志    9番       市 原 秀 朗    10番       佐々木 とし子    11番       富 井 司 郎    12番       小 森 唯 永    13番       稗 貫 秀 次    14番       渡 辺 和 寛    15番       児 玉 文 雄    16番       大 石 清 一    17番       鳥 越   進    18番       高 佐 芳 宏    19番       村 中 庸 晁    20番       稲 葉 典 昭    21番       荻 原 昭 勝    22番       栗 田 律 子    23番       谷 内 利 夫    24番       佐々木 勇 一    25番       上 野 敏 郎    26番       山 本 日出夫    27番       笹 村 二 朗    28番       石 井 啓 裕    29番       安 田 正 雄    30番       黒 田   弘    31番       野 原 一 登    32番       鈴 木 孝 昌     ──────────────〇欠席議員(0人)     ──────────────〇出席説明員 市長          砂 川 敏 文 助役          道 見 英 徳 助役          河 合 正 廣 公営企業管理者     遠 山 真 一 教育長         安 達   伸 代表監査委員      黒 田 義 直 企画部長        本 迫   哲 総務部長        佐 藤 秀 樹 財政部長        佐 藤 好 則 市民部長        藤 田 満 雄 緑化環境部長      北 川 誠 司 保健福祉部長      竹 川 信 一 商工観光部長      松 山   豊 農務部長        西 田   譲 都市開発部長      星   哲 博 建設部長        橋 本   聰 上下水道部長      山 内 利 美 学校教育部長      山 本 雅 雄 生涯学習部長      敷 本 澄 雄 選挙管理委員会事務局長 松 田 吉 正 監査委員事務局長    荒 岡 健 司 農業委員会事務局長   小 川 博 史 消防長         塚 田   潔 教育委員会委員長    舩 津 龍之輔 選挙管理委員会委員長  田 中 鐵 雄 農業委員会会長     吉 田 義 弘     ──────────────〇事務局出席職員 事務局長        須 賀 重 雄 書記          斉 藤 達 也 書記          藤 川   研 書記          佐久間 一 紀 書記          本 江 宏 子 書記          相 澤   充 書記          石 津 邦 久 書記          森 川 芳 浩 書記          島 田 敏 之     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~         午前10時0分開議 ○鈴木孝昌議長 ただいまから本日の会議を開きます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○鈴木孝昌議長 ここで諸般の報告をさせます。 ◎須賀重雄事務局長 報告いたします。 本日の出席議員は、32人全員であります。 次に、本日の議事日程でございますが、お手元に配付の議事日程表第3号により御了承いただきたいと存じます。 報告は以上でございます。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○鈴木孝昌議長 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、29番安田正雄議員及び30番黒田弘議員を指名いたします。     ~~~~~~ 〇 ~~~~~~ ○鈴木孝昌議長 日程第2、平成19年度市政執行方針に対する質疑並びに一般質問についてを議題といたします。 本件に関し、昨日に引き続き発言の通告がありますので、順次これを許します。 初めに、大石清一議員に発言を許します。 16番大石清一議員、登壇願います。   〔16番大石清一議員・登壇・拍手〕 ◆16番(大石清一議員) おはようございます。 それでは、代表質問に入らせていただきたいと思います。 砂川市長3期目の本格予算となります平成19年度の市政執行方針に対し、公明党会派を代表いたしまして質問させていただきたいと思いますが、既に3会派の方が代表質問されておられますので、重複する点があるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。 私は、2007年は帯広市にとっても極めて重要な年であると考えております。それは、砂川市長も市政執行方針の中で、我が国は人口減少、少子・高齢社会や分権型社会の到来、さらには経済のグローバル化や環境問題への対応など、持続可能な社会づくりに向けて大きな転換期にあり、人口構造の変化などに伴い、雇用を初め年金、介護、医療などの社会保障制度や公共サービスのあり方など、これまで社会を支えてきた仕組みの見直しが必要と述べられているとおり、まさにこの社会の大きな構造変化を直視し、正面から対策をとらなければならないときであると思うからであります。 私たち公明党は、未来に責任を持つ政治として3つの課題を挙げました。すなわち、子供たちの未来、働き手の未来、確かなる社会保障の未来を確たるものにするため、国と地方が連携し取組みをさせていただいておりますが、これらの視点に立った取組みの根幹は、市民本位の社会、市民の方々が安心して生活できる帯広をいかにして構築できるかではないかと考えております。市長の言われる活力にあふれ、豊かで潤いのある社会の実現を目指し、まちづくりを進めていかれるとのことですが、分権時代にあって、財政的にもさらに厳しさが予測されるときであります。また、社会的にも格差社会とか勝ち組、負け組などと言われる社会にあって、市長の目指す帯広市について、私の視点なども含めて御答弁をお願いいたします。 今回の予算提案において、多くの市民の方々からも注目されているのが、屋内スピードスケート場建設とばんえい競馬帯広単独開催ではないでしょうか。今回、私は少し視点を変えてお伺いしたいと思います。 これは、今回の予算提案で市長の思いといいますか、決意は感じますが、この厳しい時代にあって、夕張の二の舞になるのではとの声があるのも事実であります。また、地元紙の報道などでも、もろ刃の剣などとありましたが、本年度予算提案となって、議決はこれからではございますが、この事業が実施されたとき、どのように活用して帯広市の発展のための施策を推進していかれようとしているのか、市長の構想をお伺いしたいと思います。 屋内スピードスケート場、ばんえい競馬、ほかにも帯広の森などのさまざまな施設、十勝の大自然、安心・安全な農畜産物、安定した気候、おいしい水、きれいな空気、温泉などなど、対外的にアピールできる多くの素材が十勝・帯広には存在をしております。このすばらしい資源を生かした政策が求められる時代であります。御答弁をお願いいたします。 次に、福祉政策についてお伺いいたします。 市長は、主要な施策の安心安全都市の中で、子供からお年寄りまでだれもが安心して暮らせる地域社会の実現を目指す必要があるとして、平成19年度もさまざまな福祉政策を盛り込まれました。平成18年に私も提案させていただきましたが、新年度の機構改革の中で設置されるこども未来部にあわせて、私ども公明党が要望しておりました子育て世代に対する燃やすごみ袋の支給を初め、聴覚障害者への理解と聴覚障害者の方々が利用しやすい環境を整える目的の耳マークの設置、子どもの居場所づくり事業の拡充、さらには本年3月に前倒しで実施される予定であります子育て世代の公営住宅入居の優遇制度など、このほかにもさまざまな福祉政策が提案されたことは評価させていただきますが、今後さらなる少子化対策を初めとした福祉政策の充実が求められると思います。 しかしながら、反面財政的な制約があるのもまた現実であります。しかし、障害者の方々、母子家庭や父子家庭などひとり親世帯の方々、さらには低所得者の方々など、さまざまな支援を必要とする方々が地域で安心して生活できる、きめ細かな配慮の行き届いた政策が必要ではないでしょうか。当然、一地方自治体だけではできることではないと思いますけれども、市長のお考えをお伺いいたします。 次に、具体的な質問をさせていただきたいと思います。 帯広市が機構改革でこども未来部を設置された目的の一つに、次世代を担う子供たちの健全育成とお聞きしておりますが、私たち公明党も国においてこれまで児童手当の拡充に尽力してまいりましたが、全国の主婦がこれはすごいと実感をした新商品や新サービスを選ぶ第13回助かりました大賞がこのほど発表され、子育て部門の金賞に児童手当の拡充、銅賞に出産一時金引き上げがそれぞれ選ばれたとの報道がありました。これはリビング新聞の読者などの全国の主婦の投票によって決まるとのことでありますが、今回は食品、家庭用品、一般サービスに加え、新たに子育て部門が設置をされ、全国2万4,161人が投票したとのことであります。ちなみに、子育て部門の銀賞は、仕事を疑似体験できるテーマパーク、キッザニア東京とのことでございました。 児童手当は2006年度から支給対象年齢が小学校3年生から6年生までに拡大、家計が助かったなどの声が寄せられたとのことであります。出産一時金も昨年の10月に30万円から35万円に増額したのは御承知のとおりでありますが、児童手当の乳幼児加算が平成19年度から3歳未満の乳幼児を第1子から月額1万円に増額、さらに喜びの声が寄せられております。 そこで、お伺いいたしますが、子育て支援策の一つとして、帯広市もこれまで取組みを進めていただいておりますが、乳幼児医療費の助成拡大について、明年4月から国の窓口負担軽減の対象年齢がおおむね6歳以下の小学校入学前まで拡大する予定でありますが、この乳幼児医療費助成について、子育て支援の観点から市長はどのような御所見をお持ちなのか、御答弁を求めるものであります。 あわせて、帯広市の今後の取組みについても御答弁をお願いをいたします。 次に、福祉政策の2点目として、障害者自立支援法に関連してお伺いをいたします。 障害者自立支援法の円滑な運用と定着を図るため、平成20年度までの特別対策が本予算にも盛り込まれ、利用者負担の軽減や事業者に対する激変緩和措置が実施されますが、障害者自立支援法に対する市長の御所見をお伺いいたします。 また、この法律が実施されるに当たり、帯広市として独自に実施をしている施策についても御答弁をお願いをいたします。 次に、教育政策についてお伺いをいたします。 深刻ないじめ、学力低下の問題などが連日のように問題視され、みずからの命を絶つという悲しい事件や事故などの報道がなされない日はないと言っても過言ではない時代でありますが、改正教育基本法が成立したことしこそ、教育改革を大きく前進させなくてはならないときではないでしょうか。 ある人の言葉に、日本の未来を考えるとき、教育の深さが未来を決定するとありました。まさにそのとおりだと私は考えます。では、具体的にまずどうするかであります。 第1に、帯広市全体で教育改革を力強くスタートさせるべきであると思います。教育委員会だけに押しつけるのではなく、さらには政策提言や制度改正にとどまるのではなく、全員で子供を育てよう、地域も家庭も学校も、そして企業や町内会や商店街も、子供や若者を応援しようという取組みをするべきときに来ていると私は思いますが、いかがでしょうか。 地域でも商店街でもあいさつをしていく運動でもいいと思います。また、企業が家庭と教育のことを考える取組みでもよいのではないでしょうか。さまざまなところでさまざまな活動の展開が必要であり、そしてそのリードオフマンとしての役割を市長に期待するものであります。 第2は、家庭にかかる教育費の負担軽減であります。それは、そのまま教育格差の是正につながります。帯広市も就学援助や奨学金の支援などを実施しておりますが、さらなる負担軽減策が必要と考えますが、基本的な御所見をお伺いいたします。 第3には、教員へのバックアップが重要ではないでしょうか。教員は仕事量も多く、さまざまな校内業務などに追われております。教員が100%のエネルギーを子供に注ぐことができるよう、環境を整えるべきだと思います。これは帯広市単独では難しい点も多々ありますが、早急な取組みが必要と思いますけれども、いかがでしょうか。 しかしながら、反面悲しいことではありますけれども、忙しさからか、俗に言われるサラリーマン化した教員との声をお聞きすることがあります。教育委員会としてどのような対応をとられているのか、お伺いをしたいと思います。 次に、深刻化するいじめ問題への対応についてでありますが、現在国においてもいじめ対策としてさまざまな検討がなされておりますが、いじめを解決するために最も重要なことは、いじめられている子を救うことはもちろんでありますが、それとともにいじめを発見することに意識の転換を図りながら、いじめと真剣に闘う姿を教師や大人自身が示すことではないでしょうか。そして、いじめる側がどんな理由をつけようと、100%悪いことであると言い切っていく、そしていじめている子供に対して、どこまでも粘り強く指導することが重要ではないでしょうか。 さらに、問題を教師一人が抱えるのではなく、学校全体で対応し、いじめは許さないという姿勢を示すことが大切だと思います。教育委員会はもちろん、外部の専門家なども加えて学校をサポートすることも必要と思いますけれども、いかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、中小企業政策についてお伺いをいたします。 今、マスコミなどで盛んに言われております格差社会という言葉が毎日のように聞かれておりますけれども、個人における格差や企業間における格差、さらには地域間における格差などさまざまな視点があるかと思います。日本の経済は上向きつつあるとして、最近では日銀が金利引き上げを発表いたしました。さらには、本州の一部地域では企業の大幅な雇用拡大の話などをお聞きしておりますけれども、北海道、十勝においてはまだまだ景気が上向いたとの実感ができないのが現状であります。こんなときだからこそ、地域経済の活性化を図り、地域格差の是正に大胆に取組んでいくことが今の行政に求められていると思います。 市長は、市政執行方針の中で、地方が元気になることが国全体の発展につながるものであり、分権時代は各地域が互いに競い合う中で可能性を高めていく時代であると述べられました。帯広・十勝の基幹産業は農業であり、農業者の皆さんの努力で十勝・帯広の経済の支えになっていることは確かであります。農畜産物の貿易自由化などへのしっかりした対応を求めるものではありますが、一方で地域経済、地域産業の担い手として中小零細企業があります。帯広においても2次、3次産業の従事者が9割を超える現状にあって、中小企業を強力に支援することが重要ではないでしょうか。中小企業が元気になれば、雇用の拡大も図れます。地域資源の活用を促進することはもちろんでありますが、中小企業の知恵とやる気を生かした事業展開への支援や資金供給の円滑化、商店街の活性化などに重点を置いた政策が重要と考えますが、いかがでしょうか。御所見をお願いいたします。 あわせて、雇用対策と連動した中小企業対策についても市長の方針をお伺いいたしまして、1回目の質問とさせていただきます。   〔16番大石清一議員・質問席着席〕 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 おはようございます。 大石議員の代表質問中、初めに都市像についてお答えいたします。 帯広市を取り巻く経済社会の環境は、地方分権の進展あるいは少子・高齢化の進行、さらには厳しい財政環境など大きく変化をしてきております。分権時代の自治体は、地域がみずからの意思と責任のもとに地域の特性とか、あるいは持っている資源を最大限に生かした特色あるまちづくりを進めていくことが必要であるというふうに考えているところであります。 私は、子供からお年寄りまでだれもが安心して暮らすことができる、豊かで潤いのある個性と活力に満ちたまちづくりを目指しまして、市民の皆さんとともに取組んでまいりたいと考えているところであります。 帯広市は、全国に誇り得る安全で安心な農畜産物を初め豊かな自然を有しておりまして、冷涼な気候を生かして古くから小・中学校の体育の授業に取り入れられておりますスピードスケートや、世界で唯一のばんえい競馬など独自の地域文化がはぐくまれてきた地域であります。私は、こうした地域の特性や資源の魅力を最大限に引き出しながら、広く産業の振興や市民の健康づくり、青少年の健全育成など、幅広くまちづくりに生かしてまいりたいと考えているところでございます。 なお、ばんえい競馬につきましては、首都圏でのプロモーション活動や市内中心部でのパレードなど、関係機関との連携を図りながら、全庁を挙げた取組みを進めていく考えであります。 次に、福祉政策についてお答えいたします。 近年、社会経済の変化の流れが先々の不透明感を一層強め、市民の皆さんの社会保障制度に対する不安感を生じさせているものと考えております。平成19年度の予算編成におきましては、国の社会保障政策の動向なども踏まえながら、必要性や緊急性などを吟味し、事業の選択と集中に意を用いたところであります。今後とも市民の皆さんの御協力をいただきながら、生涯を通じてだれもが健康で安心して暮らせるまちづくりを目指しまして、総合的な福祉対策に視点を置いて進めてまいりたいと考えているところであります。 また、乳幼児の医療費の助成のお話がございましたが、これは平成16年10月に北海道の医療給付事業が見直されたことに伴いまして、市としても乳幼児医療給付事業を見直しました。3歳未満及び住民税非課税世帯を除き、原則1割負担を求めることとした一方で、対象年齢を入院、通院問わず就学前まで拡大するなど、給付や負担の抜本的な見直しを行ってきたところでありまして、将来ともこの制度を安定的に維持、継続していくために、北海道と共同で事業を実施していく考えであります。 今後につきましては、北海道の動向も見定めながら、国に対しましても引き続き乳幼児医療の無料化について、全道市長会を通して働きかけてまいりたいと考えているところであります。 障害者自立支援法につきましては、障害の種別にかかわらず障害者の方が必要とするサービスを利用できるよう、市町村に一元化されました。さらに、就労支援事業が創設されたことなどによりまして、障害者の方が住みなれた家庭や地域社会で生きがいを持って生活することができ、笑顔で安心して暮らせるまちづくり、こうしたまちづくりの推進につながるものと考えているところであります。 なお、利用者負担の課題がございます。利用者負担につきましては、持続可能な制度とするために導入されました定率負担ということであります。この定率負担によりまして必要なサービスの利用抑制が起きることのないように、平成18年4月から障害福祉サービスや補装具などの利用者負担を市が独自で軽減する制度を設けましたほか、本年4月からは自立支援医療のうち更生医療につきましても、全道に先駆けて利用者負担の独自軽減を行うこととしたところであります。 次に、教育政策についてお答えいたします。 子供は国の宝であります。未来を切り開いていく豊かな心や健やかな体、そしてみずから考え問題を解決する能力や強固な意思をはぐくみ、国際感覚豊かな人材を育成することが重要と考えております。しかしながら、近年では学ぶ意欲の低下、規範意識や道徳心の低下、さらには人や社会とのかかわりなど、さまざまな体験機会の減少ということが指摘されておりますほか、子供が巻き込まれる犯罪の発生など、安全・安心に対する信頼が揺らいでおり、家庭、学校の教育力の向上はもとより、地域社会全体で子供を守り育てる地域力といったものを高めることが求められていると思います。今後におきましても教育委員会と連携を図りながら、帯広市全体で教育の課題に取組んでいく考えであります。 中小企業の振興についてお尋ねがございました。 帯広・十勝の地域経済につきましては、日銀帯広事務所十勝金融経済動向によりますと、消費面が低調に推移し、総じて横ばいとの見方が示されております。雇用につきましても月間の有効求人倍率が引き続き前年を下回るなど、厳しい状況が続いているものと認識しております。 市内の事業所や企業の大部分といいますか、ほとんどを占めます中小企業は、地域内で独自のネットワークを有しておりますとともに、地域社会に根差した企業活動を行っているところであります。今回、議会に提案をしております帯広市中小企業振興基本条例を提案させていただいておりますが、この前文では中小企業が地域経済振興に果たす意義として、地域資源が持つ価値を発揮させ、雇用を確保、拡大し、市民所得の向上をもたらすなど、帯広・十勝経済の重要な担い手であることについて明記をしているところであります。また、条例案の条文には、起業あるいは創業支援とか新技術の開発支援のほかに、人材育成や経営基盤の強化などの中小企業振興に取組むなど、基本的な方向が示されているところであります。 今後、中小企業者の皆さんとともに種々の施策転換について協議、そして協働する場を設けまして、中小企業の振興に努めてまいりたいと考えているところであります。 私からは以上であります。 ○鈴木孝昌議長 安達伸教育長。 ◎安達伸教育長 御質問中、教育施策についてお答えいたします。 教育費の負担軽減についてでありますが、教育基本法に規定されています教育の機会均等の趣旨にのっとりまして、就学が困難な児童・生徒、学生の支援を目的として、小・中学校児童・生徒に対する就学援助、私立高校生に対する授業料補助、高校生、専門学校生、大学生に対する奨学金の貸与を行ってきております。 就学援助制度につきましては、国庫補助金も一般財源化され、支援の拡充は大変厳しい状況にございますけれども、今後も現行制度の維持、支援水準の確保に意を用いるとともに、国、道に対して引き続き財源措置の拡大を要望してまいりたいと考えております。 次に、教員の人材養成についてでありますが、教員は我が国の未来を担う子供たちの知・徳・体を育成するという重要な役割を担っております。このため、教員には強い情熱、確かな力量、総合的な人間力が強く求められております。今後も教員が子供たちに力を注ぐために、学校が組織として機能するよう取組みを進めるとともに、学校評価などの手法によりまして地域に開かれた学校づくりを進め、地域の期待にこたえられる学校づくりに取組んでいきたいと考えております。 また、各種研修を通じ、公教育に携わる者としての専門性や人間力の向上に向けた取組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、いじめ問題への対応でありますが、帯広市教育委員会では、いじめは人格を傷つけ、人格を大きく侵害する行為であり、絶対に許されない行為であるとの認識のもと、校長会議などにおいていじめの早期発見、早期解決のための指導を行うとともに、教育相談講座の開設など日常的な教育相談体制の充実に努めております。また、いじめ問題は対人関係や家庭環境など、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生することから、心の教育教室相談員、スクールカウンセラー、家庭訪問相談員を配置するとともに、関係機関との連携を図りながら取組んでおりまして、今後も外部の専門家などの力をかりながら、いじめ問題の早期解消に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 16番大石清一議員。 ◆16番(大石清一議員) それぞれ御答弁ありがとうございました。 今回、代表質問ということでもございますので、2問目はちょっと順番を、順序が入れかわりますけれども、福祉政策についてからちょっと要望を述べさせていただきたいと。市長の目指す帯広については、ちょっとまた質問をさせていただきたいというふうに思っております。細かい部分はこの後一般質問、また委員会等でしっかりとやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 じゃあ、その福祉政策についてでございますけれども、大変財政的にも厳しい現状にあって、さまざまな市民ニーズにいかにこたえていくか、御答弁では必要性、効率性、有効性を吟味し、事業の選択と集中に意を用いたいとの御答弁でございましたけれども、それらの判断となる基準を行政の立場に置くのか、市民生活の立場に置くのかでは大きな違いがございます。この3つの視点は、時には相反する答えを出すこともあると思います。しかし、本当に必要な人に必要なサービスをいかにして提供できるか、市民の立場に立ったというよりも市民の心、思いを感じることのできる行政であっていただきたい。現在の制度上、できないことが多々ございます。しかし、そのできないときこそ私は大事だというふうに思っております。マニュアル的に条件が合いませんからだめですと簡単に突き放すのではなく、心の通った対応をぜひともお願いしたいというふうに思います。 次に、乳幼児の医療費助成の件でございますけれども、12月に質問したばかりでございますので、そのときと同じ御答弁が来ることはわかっておりましたけれども、確かに保健医療の立場からいえば、高齢者の負担と照らして同じ条件でこの考え方はわかりますけれども、あえて子育て支援の観点からと申し上げさせていただきましたけれども、北海道との共同事業が不可欠との考えも理解をいたしますので、北海道の動向を見きわめながら判断との御答弁でございますけれども、子育て支援の観点から、ぜひとも助成拡大を強く要望しておきたいと思います。 次に、障害者自立支援法の関係でございますけれども、まさに精神も含めた3つの障害が、共通の認識に立って福祉サービスを受けられるようになったことは大きな前進だと思いますが、しかしこの制度は、これからも実態に合わせて見直し等が行われてくるのではないかというふうに思っております。そして、より充実した制度になることを望んでおります。 帯広市においても本年4月から独自の軽減措置として、自立支援医療のうち更生医療について、全道に先駆けて利用者負担の軽減措置を行うということでございますけれども、事情をしっかりと把握し、現場の声を聞きながら、さらなる対応を求めておきたいというふうに思います。 次に、教育政策についてでございます。 教育改革に対します帯広市の認識についてはわかりました。しかし、問題は認識するだけではなく、行政としてどのように対処するかであります。この一つとしての教育費の負担軽減についてでありますけれども、さらなる負担軽減は難しいとは思いますけれども、現在の就学援助や奨学金など、その制度の維持、支援水準の確保に意を用いてまいりたいとの御答弁でございましたけれども、確かにさまざまな問題があることもお聞きはしております。しかし、国においても奨学金制度の充実が図られておりますことから、本当に意欲のある子供たちが進学をあきらめなくてはならないようなことがないように、制度の見直しも含め、より充実した負担軽減策となるよう、この点も要望しておきたいと思います。 次に、教員の問題でございますけれども、大事なことは、子供たちの目線で取組んでいただいているかどうかであります。私はそう思うんです。そのことが、反面いじめ問題の解決の一つの手助けになるのではないかなというふうにも私は思っております。 ある哲学者の言葉に、教育とは真っ白なキャンバスに色を塗るようなものだという言葉がありました。私もそのとおりだと思います。だからこそ教育が大事であり、時には一人の人間の人格へも影響を与えかねない、私は仕事だというふうに思っております。 今、国の教育再生会議のメンバーの一人の方が、教師を職業と考えている人には教師になってほしくないと言った方がおられました。さらに、その人は生徒のために命を投げ出すことができますかと尋ねるそうであります。それだけの情熱がなければならないというのがその方の持論だそうでございます。私も同感のところがあります。大変な仕事だと思います。 しかし、時々親御さんからお聞きすることがございます。それは何かというと、冬、学校の校庭にリンクをつくるときに、親御さんたちも仕事が終わってから学校に行き、子供たちのためにリンクづくりのお手伝いをするそうであります。私も子供が小学校のときに行ってお手伝いをさせていただきましたけれども、最近はそのときに管理職の先生だけで、ほかの先生が出てこられないというのであります。すべての先生がということではないとお聞きしておりますけれども、私は本当に残念に思えてなりません。もしその先生がクラスの担任を持っておられるんであれば、生徒と一緒にスケートの授業をやられるはずなんです。本当に子供たちのことを思ったら、何とか対応をお願いしたいというふうに私は思っておりますし、また反面、学校側も先生方との協議を十分にしていただいて、お互いに子供たちのために取組みをお願いしたいというふうに思っております。 いじめ問題については、スクールカウンセラーや相談員の配置など、さらなる体制強化をお願いするとともに、学校での対応はもちろんでございますけれども、学校と家庭、学校と地域、そして地域と家庭がともにさまざまな形で連携をしながら対応していくことが、私は重要だというふうに考えております。特に、学校と家庭、一番子供たちの身近にいるところで子供たちのさまざまな信号をキャッチしなければ、手おくれにならないとも限らないと思います。その意味においても、学校と家庭の連携、意思の疎通は大事なことではないでしょうか。そして、大人たちが真剣に対応することが必要だと思います。今後とも各部連携した、しっかりとした対応をお願いをしておきたいと思います。 次に、中小企業政策についてでございますけれども、今回提案されております帯広市中小企業振興基本条例は、従来のあえて言うなれば資金調達のためだけの条例から、地域経済の振興を図り、意欲のある中小企業者をさまざまな視点から応援できる施策の展開ができるようにしていくのが今回の条例とお聞きしております。しかし、大事なことは実効性であります。具体的にどのように進めていくのか、そのことが企業にとってどのようなメリットがあり、事業の発展や雇用の拡大につながるのか、そのことが重要だというふうに思っております。 帯広市中小企業振興協議会、仮称というふうに聞いておりますけれども、これを設置して、それから具体的な協議に入ると思いますけれども、とにかく実情に合った、現場を知った上での対応をお願いしたいというふうに思っております。事業者の声をしっかりと聞くことはもちろんでありますけれども、消費者の声も聞くことが重要ではないかというふうに私は思っております。 日本の企業というのは、どちらかというとなかなか業態の変更ができないというふうにお伺いをしております。また、逆にしにくい状況にあるのかとも思っておりますけれども、しかしそれでは業種によっては先々立ち行かなくなるような困難な状況が待っているというふうに私は思っております。そのようなときに本業は本業として進めながら、新しい事業展開ができるような力を企業がつけられるように、さまざまな形で支援できる政策展開が必要だというふうに思います。 きょうはこれ以上申しませんけれども、帯広を元気にするために中小企業が元気になっていただかなければならないと思います。今後の確かなる事業展開と対応を求めておきたいと思います。 では、最後になりますけど、市長の目指す帯広について、ここは何点かちょっと質問をさせていただきたいと思います。 市長の目指す帯広のまちについて基本的な考え方はわかりました。厳しい財政状況の中でいかにして活力にあふれ、豊かな潤いのあるまちと市民一人ひとりが実感できるのか、具体的な政策実行が重要だというふうに思います。しっかりとしたビジョンを掲げ、市民も希望の持てるような市政執行を求めておきたいというふうに思います。 屋内スピードスケート場、ばんえい競馬、これらの活用について一応理解はいたしました。さまざまな事業と連携し、全国にしっかりと発言していただきたいというふうに思います。全国への発信、もちろん市長が先頭を切ってトップセールスマンとなって取組んでいただくことはもちろんでありますけれども、市長だけが幾ら頑張っても、これは限界があると思います。市役所全体で、いわゆる宮崎の新しくなった知事の言葉ではございませんけれども、総力戦で取組むことが重要ではないかというふうに思っております。これまでの役所はとかく縦割り行政の感が強く、自分の部署と関係のない業務には関心がないように見受けます。確かにそれぞれの部署が自身の業務を持ち、忙しいことはわかりますけれども、1問目でも申しましたけれども、ことしはさまざまな意味で極めて重要な年だと考えるからこそ、あえて言わせていただきました。 そこで、総力戦という意味からお伺いをさせていただきたいと思います。 平成19年度はラリージャパンを初めとする国際大会や全国実業団対抗テニス大会などの全国大会が帯広で開催され、多くの方がこの帯広に来られるとお聞きしております。さらには、スポーツ関係だけではなく、19年度は9月8日、9日と日本建築士連合会全国大会が開かれ、道内外から3,000名の方が帯広に来られると伺っておりますし、9月27日から30日にかけては、日本青年会議所の全国会員大会で1万2,000人の方が帯広に来られるとも伺っております。平成19年度予算にも補助金が盛り込まれておりますけれども、この方々にどのような形で帯広をアピールするのでしょうか。また、どのような形で行政としてこの方々をお迎えしようとしているのか、お伺いをしたいというふうに思います。 帯広市はこれまでも幾つかの全国大会や国際大会が開催されてまいりましたけれども、一部の方々は知っていても市民の多くの方は知らないというケースがありました。せっかくのチャンスです。もっと市全体で歓迎ムードを演出することが私は必要ではないかなというふうに思っております。例えば、市役所の庁舎に歓迎の垂れ幕を下げるとか、駅前の例えば西二条に横断幕を掲げるとか、商店街にペナントのようなものを掲げて盛り上げるとか、市役所も全庁挙げての取組みはもちろんでありますけれども、地域も商店街も企業も一体となって取組んではいかがかと思います。 ある職員の方のお話を聞きました。自分がメールを発信する際に、ばんえいのニュースを載せて、自分の署名の前にばんえいのニュースを載せて、またそのばんえいのホームページにアクセスできるようにメールアドレスもつけて、コマーシャルを入れてメールを送るという方がおられるというふうに聞きました。本当にこういう小さなことかもしれませんけれども、そういうちょっとした取組みが全国にいろんなものが発信できる、これが僕は総合力だというふうに思っておりますので、ぜひとも対応をお願いしたいというふうに思いますけれども、私は以前に堺市で行われた地方自治経営学会というのに参加をさせていただきましたが、そのときには約300人ほどいたでしょうか。最終日には希望する方に、これは自己負担はございましたけれども、バスを貸し切って堺市の刃物伝統産業会館、堺市は包丁の産地でございますので、特産品でございますので、その産業会館ですとか、それから新たに事業を起こす人を支援するための施設、新事業創造センターなどを見せていただきました。当然、そこには地元の特産品や工芸品などが販売されておりまして、多くの方々がお土産として購入していかれました。 同様のことは今回も考えておられると思いますけれども、帯広市が独自でこれだけの方々をお呼びすることは、これはまず不可能に近い。ですから、せっかくの千載一遇の私はチャンスだというふうに思っております。これを活用しない手はないというふうに思うんです。ですから、これはもう商店街にとっても絶好の機会だというふうに思いますので、とにかく帯広市としてしっかりした対応も求めながら、この部分についての御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 帯広の目指すまちづくり、そしてまちづくりのビジョンについてのお話もございました。 実は、まちづくりのビジョンといいますと、やはり市の総合計画というのがビジョンということになろうかというふうに思ってございますが、五期総が今8年目を迎えているところでございますけども、こういう時代、新しく時代を取り巻く環境が大きく変化している時代でありますから、そういう中で計画づくりというのは大変大事になってくるわけであります。実は、この五期総の計画の策定に当たりましても、特別委員会等で御論議をいただいた経過があるわけでありますけども、大石議員にもこの委員として御参画をいただいて、いろんな御意見等々いただきました。バス交通の問題とか、あるいは身近な生活圏域で機能をきちんと整備すべきじゃないかとか、いろんな御発言があったように思っておるわけでございますが、貴重な意見をいただいたところであります。 実は、明年度からこの総合計画、第六期の総合計画の策定作業に入っていこうというふうに私ども考えてございます。そういうこの作業ではやはりこの間、先ほど申し述べましたような大きな環境変化を踏まえまして、新たな計画づくりに当たっていくわけでありますけども、市民協働のまちづくりということを一層具体化するということが必要でありますし、市民の皆さんの参画をより拡充した形で市民と行政との協働により、そうした策定作業に当たっていくというふうに考えてございます。具体的な施策はこれからの今後の検討にまたなければならないと思いますけれども、いずれにしましても十勝の中核都市としての役割を帯広市は今後も担っていきます。活力と潤いのあるまちづくりということを進めていかなければならないと考えてございます。 いずれにしましても、先を見通しにくい状況の中ではあるわけでありますけれども、帯広が持つ可能性、資源というのを最大限に発揮する方向で、総力戦という話もありましたけど、まさに地域挙げて、総力を挙げて計画も策定し、その計画の実行をあらしめるということが必要だろうというふうに思ってございます。地域にある資源、人の力、そういうものをすべて結集して新たなビジョンづくりに当たっていきたいと思ってございます。 それから、縦割り行政という話がございました。市役所の組織、ある意味では長年の組織である以上は、どうしても出てくる弊害があろうかというふうに思っています。私は、縦割りというのが行政のあり方として、組織のあり方としてすべてが悪いということではないというふうに思ってございます。問題は、その縦割りで行政を執行するに当たって、横の連携がうまくとれない場合が出てくる、これが問題なわけでありまして、そこのところをやっぱりその弊害を除去していくということに意を用いていかなければならないというふうに思っています。 というのは、今市役所の組織というのは、どうしても専門分化をしておりますから、そういう中でその効率性とか柔軟性を発揮していくということで進めているわけでありますけども、行政に対するニーズそのものが非常に複雑多岐にわたってきておりまして、それぞれの部門を横断的に対応しなければならない課題というのがどうしても多くなってきております。そういう中で従来の行政組織あるいは一つの課で完結することは、ほとんどないと言ってもいいくらいであります。そういう横断的なものになっているわけでございますので、そうした中ではやっぱり縦割りの効率性が発揮をしても、それが必ずしも全体的な行政の効率化にはつながらない場合がある、これがまさに縦割りの弊害ということであります。これをできるだけそういう弊害を取り除くような努力をしていきたいというふうに思っています。 ことしの4月からは新たな市役所の組織体制がスタートをします。市民の皆さんの視点から、今言ったような縦割りの弊害あるいは横断的な政策課題について的確に対応できるような組織ということで考えた形であります。それの実効あらしめるような運用についても意を用いていきたいというふうに思ってございまして、いずれにしましても市役所の職員、組織一丸となって地域の課題に対応していきたいというふうに思ってございます。 それから、全国大会あるいは大きなイベントとかコンベンション等の全国的な大きな大会をやはり地域の活性化につなげていく、全国に情報を発信していく大きな場として活用していくべきじゃないかというお話がございました。まさにそのとおりだと思っています。千載一遇というお話もありましたけども、せっかく全国からたくさんの方々がこの帯広・十勝においでいただくということでありますので、その機会だけを地域活性化のチャンスとするのはもちろんでありますけども、それを通じて全国に帯広・十勝の情報を発信して、将来の地域発展にもつなげていかなければならないというふうに思ってございます。 お話のように、青年会議所の全国大会、これが9月の末、1万2,000人と言われていますけども、の方々がおいでになる、また建築士会の全国大会が、これは3,000人というお話を聞いていますけども、またおいでになる、それからWRCのラリージャパンも10月に開かれるということでありまして、こうしたイベントあるいはコンベンションに帯広の現地に、全国から多くの方々がおいでになって現地を体験していただくということであります。そういう意味では、地域経済に大きな波及効果を生み出すほかに、先ほども言いましたけども、帯広・十勝の観光、物産はもとより、帯広のまちそのものをやはり全国に売り込む絶好の機会になるというふうに考えてございます。こうした機会をとらえて関係機関と連携を図りながら、地域挙げて歓迎の意をあらわしていくとともに、やはり交流人口の拡充という効果もございます。いろんな効果を最大限に活用しまして、地域の活性化につなげていきたいと考えているところであります。 何よりも地域挙げての歓迎のホスピタリティーというのが大事だと思いますので、関係機関とよく協議等々行いながら、万全を期していきたいと思っています。 ○鈴木孝昌議長 以上で大石清一議員の発言は終了いたしました。 次に、石井啓裕議員に発言を許します。 28番石井啓裕議員、登壇願います。   〔28番石井啓裕議員・登壇・拍手〕 ◆28番(石井啓裕議員) 皆様おはようございます。 自由クラブを代表して質問をさせていただきます。 このたびの代表質問は、まず最初に帯広市総合計画についてであります。 帯広市の第五期総合計画及び後期推進計画まちづくり通信2006を再度読み返しながら、私なりにしみじみと思うことから問題を提起し、質問とさせていただきます。 まず第1に、計画推進上、効果的、効率的な評価手法の導入、すなわち活動指標、成果指標の導入、市民協働の指標、導入等々を取り入れ、各部との連携作業を密にした企画部の努力に対し敬意を払うものであります。事務事業約1,800事業のうち約500事業が後期想定事業となっております。その所要資金量は概算総額で1,161億円であります。これら事業が平成21年度までに風前のともしびとならないよう祈るばかりであります。と申しますのも、平成21年度には帯広市全会計における負債総額は1,800億円を超え、1,900億円に限りなく近づき、場合によっては2,000億円に達すると懸念されるからであります。平成17年度末決算において1,767億円を軽く超えているからであります。しかも、平成21年度には、場合によっては2,000億円に近づくと申しましたが、これは債務負担行為における現年度化という会計手法に言及せずに申し上げた、抑制された金額であることも申し添えねばなりません。 それでは、私が危惧、懸念する借金増について語らねばなりません。後期推進計画の所要資金は約1,161億円であり、そのうち地方債は約177億円と、平成17年度より平成21年度末において、この後期総合計画は約200億円に達しようとする借金を帯広市にもたらすからであります。そして、さらに借金増となる主な施策を3点ほど挙げれば、ますます事態は明らかとなるのであります。 まず第1に、帯広市職員退職手当基金が0円であることから、平成18年度から平成27年度までにすべて起債に頼るとすれば、約65億円が将来世代の借金となり、先送りされるのであります。そしてさらに、屋内スピードスケート場設置及びばんえい競馬清算金及び1市開催によって軽く50億円の借金が積み増しされるのであります。これらが同時進行するのでありますから、帯広市行財政改革の行く末はどんな結論が待ち受けているのでありましょうか。 職員費を毎年5%近くカットして、平成21年度を迎えるのでありましょうか。職員、人を切り捨てて1,800項目に上る帯広市の各種事業は一体どうなるのでありましょうか。人というものはせいぜい二、三項目の専門職員となるにすぎない、そういう能力しか人は持たないものであることを市長は認識しておられるのでしょうか。人は、多くの人の協力があってその能力を発揮できるようになっているのであります。そしてまた、今のところ収入増の見込みは全くなく、あるのは増税あるのみ、地方交付税措置は現状維持すらままならなく、国はみずから保身のため、国自身の生き残りのため地方を見捨てているのが現状であります。 その中で帯広市は、借金の垂れ流しの深みからどうやって抜け出ることができるのでしょうか。もし金利上昇が起きれば、事態はますます深刻となります。市長、これら私の疑念、危惧に対し、わかるように説明責任を果たしてください。お答え願います。 そして、今後どの事業計画を断念するかまでお答え願いたい。 私は、常々設計思想、すなわち計画行政というものに疑問符を打ってまいりました。無論、社会がうまく作用しない場合、社会制度の設計は必要であります。そしてまた、政治による統治は不可欠であると思っておりますが、計画社会の欠点を歴史から学ぶことも大切であります。19世紀半ばから20世紀において規制なき自由放任の資本主義の諸弊害と取組むために国家が介入し、計画統制経済の進行した時代があったのであります。そして、20世紀の反動として20世紀の後半から21世紀に至って経済の論理の支配が始まろうとしております。現に進行中であります。 過去の人類の経験に照らして、私は自由放任主義と計画統制主義のどちらにも偏しない第三の道を見出すべきではないかと考え続けております。20世紀末における計画と管理と規制の劇的破綻、すなわち共産主義、社会主義等々の破綻を目の当たりにして、今多くの人々は自由と競争と市場への大規模な回帰を目指しているのであります。飽くなき資本論理の追求であります。私企業の経済論理の優先であり、公共性論理の食いつぶしであります。公共性の破綻であります。私的欲望と公的社会との対立であり、私的社会の優先であります。公共の公的社会の食いつぶしが始まろうとしているのであります。 しかしながら、これら資本論理の追求は、明るい未来がそこに開かれているでありましょうか。否であります。そこには経済論理以外の多くの視点、原理原則が無視され、排除されているからであります。経済理論における人間把握において単純とも言える人間像、切り捨てられた人間像での経済論理では、それのみでは21世紀へ明るい展望が開けてこないのは、歴史が教えているところであります。経済の論理では全く不必要な分野が、実は社会構造の基底となっていることに私たちは目をそらしてはならないと思うものであります。 市政に携わる者として一点だけ挙げれば、公共性についてであります。人は公共的諸問題を全体の立場から論ずる基礎として、客観的な知識と公正な視点とから成る公共的理性をはぐくむ必要があります。税を納める以上、市民としての社会的役割としてあると思い続ける、学び続けることが大切ではありませんか。それは高尚な哲学である必要はなく、だれもが承認せざるを得ない知識とルールの取得であります。これなしでは資本主義及び民主主義は失敗せざるを得ないと考えるものであります。 世界に共通する公共善の思想さえ、経済には現在のところ無用であるからこそ、私は発言せざるを得ないのであります。それがゆえに、社会の制度設計と計画を考えるとき、現実として経済、倫理、政治、文化等々の複合体を対象としなければならない、それは一人ではなし得るわざではありません。多くの人々の合意と協力がなければなし得ないのであります。時代の流れはますます混迷の度を深めておりますが、果たして帯広市総合計画は実行するに値する全面的妥当性を持つものでありましょうか。常に時の流れとともにその妥当性が問われるべきであります。市長、そうではありませんか。 総合計画は、帯広市政に対する管理規制、制約条件であります。目的を達成するためには計画というものに内在する抜きがたい条件であり、正鵠であります。社会設計思想、総合計画というものは、時間を経過すればするほどひとり歩きを始め、他へ多大な影響を与え、規制し、それのみが目的となり、計画膨張社会へとつながります。計画が計画を生み続けるのであります。計画社会は計画を立てなければ安心できない人々を多くつくり出すのであります。計画に縛られた狭い範囲の思考は、実行あるのみとなり、それは時間が経過すれば実行されたと錯覚する人々を多くつくるのであります。凝り固まった思考はそのときの社会情勢の変化、経済、倫理、政治等々から社会の複合体の状況に対する認識から目をそらし、柔軟な思考能力を失うのであります。 そしてさらに、計画という絵には、困ったことにお金がかかるのであります。計画とお金はつきものであります。アイデアというものは常に経費がかかるのであります。計画社会は、現実の経済の実態といつも遊離してしまうのであります。そして、今帯広市はさらに困ったことに、計画を度外視しても無視しても財政状況は経済のあるべき実態、現実と余りにかけ離れていることであります。市長、そうではありませんか。骨身にしみて認識しておりますか。お答えください。 それがゆえに、計画というものは常に見直さなければなりません。時代の流れに敏感に反応するとともに、現場認識を待たねばならない。現場認識を待たないことが公務員の欠点でもあります。そしてまた、何が何でも計画が実行されねばならないという成果主義が問題であります。現場認識から外れるからであります。政策課題の基本精神を半ば達成すれば上できであると評価するゆとりが、計画者にも周囲にもなければならないと思うものであります。各課における達成度のみが評価の対象となり競い合う、それは一面ではよいことでありますが、ほとんどただ単に自己満足の世界で終わることが大半であります。市長、そうではありませんか。 市長は、後期推進計画において我が国の時代背景を語っておりますが、その対応策である現実の実施計画はそのことは一切反映しておらず、ただただ帯広市財政を無視、借金を垂れ流しにしているだけではありませんか。後世にツケを先送りし、自己満足に浸っているだけではありませんか。市長は設計思想、総合計画というものが持つ二面の欠点、欠陥に思いをいたしたことがございますでしょうか。お答え願います。 次に移らせていただきます。ばんえい競馬の清算金、当初予算分10億4,270万円を臨時支出に対応するため、高等教育整備基金として積み立てた30億円の基金取り崩し問題についてであります。 大学誘致、設置は帯広市の歴代市長の夢であり、希望であったのであります。まちの文化の殿堂を築き、人材育成を図るそのことがどれほど地域に貢献するか、さらに世界に役立つか、経済的価値で評価できない価値をもたらすことは申すまでもありません。地域経済の活性化は無論でありますが、人々の物心両面にわたる活性化は未来社会を展望する基本条件の一つであります。 先代市長が厳しい財政難を見据えながら30億円という巨額な資金を長年にわたり積み立て、目標を定めたもの、先代市長が夢を現実のものとした功績をゼロとする行財政運営の不手際は、市長は市民からどんなに叱責を受けても仕方がないものではありませんか。 そして、このことは財政破綻への道のりを市民の目に印象づけたことは重大であります。悪印象というものは、しばしば実現することが世の習いの一つであります。しかも、ばんえい競馬の清算金に使うとは、言葉を失うのであります。それは、あたかも母ちゃんが子供たちの大学入学のためにせっせとためた入学資金を父ちゃんがばくちですってしまった、それに等しい結果をもたらしてしまったのであります。何たる悲しくわびしい現実であることか。市長は帯広市の夢を奪ったのであります。 しかもであります。帯広市の公共財を売り払って穴埋めしますとは何たることか。私企業が自己所有不動産を処分し始めたら、それはどういう言いわけを株主にしようと、それは倒産への赤信号であります。しかも、後述するように、後から述べますが、退職金を借金によって支払う、そんな事態は私企業では倒産そのものであります。従業員に退職金を満足のいくものではなくても受け取ってもらい、会社は整理、清算へと入る、それが経営者の最低限の倫理であります。従業員に対する礼節であります。帯広市はもうそこまで行っているのでありましょうか。 市長、お答えください。公共財とは何か、その定義と意味を、そしてそこから生まれる公共精神とは何かを御説明ください。どうしてこうなったのか、市長の政策の正当性を市民にわかるよう説明責任を果たしてください。 次に移ります。退職手当債についてであります。 今日まで一般財源を深く静かに食いつぶしてきた退職金支払いは、職員1人当たり平均2,500万円を超えるのであります。このことが帯広市の事務事業をいかに締めつけてきたかは語るまでもありません。物事には限度というものがあります。この退職金は現下の経済情勢の中で私企業との格差は歴然としており、市民のねたみと怒りを買うもととなっており、早くから2007年問題に対応するため市長は気づいておらねばならず、就任早々手を打たなければならなかった帯広市の重大課題の一つでありました。なぜ市長はこのことに早くから気づき、手を打たなかったのか。先代市長はこのことのためにほんの少々でありましたが、積み立てを開始していたにかかわらず、なぜ先代市長から学ばなかったのですか。お答えください。 市長は平成17年度末決算において名目上の退職積立基金の数値、たった90万円を計上、この計上は、それは事実上0円であったことを示しているのであります。それにもかかわらず約16億円の退職金を支払い、平然としていたのであります。これはどこからかき集めたお金でありましょうか。市長は十分に予測できた事態に基金積み増しの対策を打たず、その財源は結局行財政改革によって職員の退職金を支払ったのであります。それは職員給与費を初めとする福利厚生費等々を切り詰め、実行されたのであります。タコが生き残るために自分の足を食うのと同じことであります。 行財政改革とはそんなものだったのでしょうか。箱物づくりに独走した、迷走した市長の責任は余りに重たいものがあります。市民にわかるようにお答えください。 済みません。あと四、五ページありますけれども、時間がそろそろ参りましたので、質問を留保して2回目に再開をさせていただきます。   〔28番石井啓裕議員・質問席着席〕 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 石井議員の代表質問中、初めに総合計画についてお答えいたします。 御質問が多岐にわたっておりまして、かつ答弁が各項目に重複するということもありますことから、順不同になりますことをあらかじめお許しいただきたいと思います。 時代を大きくとらえますと、明治維新以降、我が国は先進国に追いつき追い越せのいわゆるキャッチアップ政策を基本に展開をしてまいりました。結果として、今日の豊かで利便性の高い社会をつくり上げたことは、多くの人が認めるところであると思います。 しかしながら、現在社会において起こっているさまざまな現象、例えば少子・高齢社会、地球環境問題、経済のグローバル化などへの対応など、これまで築き上げてきた社会の仕組みに不都合な面が生じつつあります。そういうことから、今後とも持続的に発展していくためには、今の制度や、あるいはシステムなどを大きく改革していかなければならない必要性があるものと考えております。 いわゆるバブル経済の崩壊後、分権改革、経済構造改革、社会保障制度改革、教育改革など断続的に展開されてきた諸改革は、こうした時代を反映した取組みであるものと理解しております。私たちは、こうした社会の変遷や歴史からさまざまなことを学び、次に生かしていく真摯な姿勢が必要であるとの認識は同感であります。確かに産業革命以降の工業文明の発達は、私たちに物質的な豊かさや利便性の高い生活をもたらした反面、さまざまな課題を提起してきております。経済成長、発展を最優先に考える経済至上主義の弊害とでも言えるものの一つが、人間疎外などのマイナス現象ではないかと考えているところであります。 帯広市では、これまで人間尊重を基調にして市の総合計画は策定されてきておりまして、まちづくりの中心に主役である市民を据えてきているところであります。総合計画は、長期的な展望に立ち、市民の皆さんと行政がまちづくりの目標を共有し、その実現に向けて互いに力を合わせていく、そうしたための重要な指針でありますことから、本年4月に施行を予定をしておりますまちづくり基本条例の中でこの計画に関する事項を規定し、制度化を図ったところであります。計画は、市民参加、審議会での論議、議会での論議、そして議決を経て策定されるものでありまして、その計画の実現に努力しなければならないことは言うまでもありません。計画の推進に当たりましては、計画が持つ本質的な特性を十分に認識し、指針としての規範性を保ちながら、時代の変化に柔軟に対応しながら、その実効性を確保しなければならないものと考えております。 第五期総合計画の後期推進計画から試行的に導入いたしました政策施策評価システムは、このような考えによるものであります。現在、帯広市を取り巻く環境は大変厳しい状況にありますが、不断に欠かすことなく行財政改革に取組みますとともに、市民の視点に立って成果を重視し、限られた行財政の資源を有効に活用し、選択と集中を図りながら計画の効果的、そして効率的な推進に当たっていく考えであります。 また、人々の意識も量的拡大から質的な向上へと変化をしてきていると考えます。拡大しつつある公共領域を市民と行政が力を合わせ、信頼関係を保持しながら互いの役割を担いつつ、協働のまちづくりを進めていくことが計画の実現に向けて大きな力になるものと考えております。 次に、北海道市営競馬組合の解散に伴う清算金についてでありますが、清算には一時的に多額の財源が必要となること、またこの種のものについては他に財源の調達の手法がないことから、帯広市の基金のうち最も多額の積み立て残額のある高等教育整備基金からの借り入れをもって充てようとするものであります。この借り入れの返済に当たりましては、市民生活への影響を極力少なくするため、土地の高度利用などによりまして生ずる財産の処分により対応していく考えであります。 なお、大学に関しましては、引き続き実現に向けて取組みを進めていく考えに変わりはないところであります。 次に、退職手当債のお話がございましたが、景気の低迷あるいは国の三位一体の改革を初めとします国の制度改革などによりまして、ここ数年地方財政は非常に厳しい状況にあるものと認識をしております。帯広市におきましては、団塊の世代の退職によります退職手当の増高に対処するために、北海道市長会を通しまして国に対して退職手当債の要件緩和を要請する一方で、職員定数の適正化や職員給与の見直しを初めとする行財政改革に積極的に取組んできたところであります。この退職手当債の発行につきましては、定員の管理あるいは給与適正化計画の策定ということが条件でありまして、その計画が国において認められた場合に限り、発行が許可されるものであります。 帯広市におきましては、45億円という通常債の1年間の発行枠を帯広市としてガイドラインとして持っておりますが、この退職手当債も通常債という位置づけで考えておりまして、こうした45億円の帯広市の基準を守りつつ、職員大量退職時代の財政負担の平準化を図っていくために、この制度を活用することとしたところであります。 なお、その償還に当たりましては、将来の人件費の削減効果額を充てるものでありますので、御理解をいただきたいと思います。
    鈴木孝昌議長 28番石井啓裕議員。 ◆28番(石井啓裕議員) ただいまの市長のお答えは、私の目から見ますと答えていない、無視されていること多々あります。黙って聞いておりますと、市長のお答えを聞いておりますと、もう万策尽きたのかなと、お手上げかなと、いいお言葉を使っておられますが、ほとんど実態と遊離したお答えではないかなと私は思うものであります。 それでは、退職手当債なるもの、それはなぜ今打たれたかということを私なりの感想を申し上げながら、市長のお考えの、今後のお考えの一助になればなと、そう思いながら質問をさせていただきます。 国は、今年度から地方財政を考慮して退職手当債の発行を地方に解禁いたしました。そして、帯広市は道内で真っ先に飛びつく市長の姿勢に、ただ唖然とするばかりであります。退職手当債の発行は国の許可制で、そのためには職員の適正化計画を作成すること、総人件費の削減などが条件と新聞紙上で発表されております。まさにこの国の解禁は、地方公務員の職員給与の大幅切り下げと定数削減を国は大した努力もせずに実行できる最良の策であります。そのことにまず気がつかなければなりません。国はこのえさに真っ先に各市町村が飛びつくことを十分に予測し、絶好の機会ととらえ、機は熟したと政策を打ったのであります。このえさに助かったと真っ先に飛びつく市長は、何を考えておられるのでしょうか。道内で最も苦しい財政運営をしている市として、その名を高からしめ、帯広市を辱めたのではありませんか。しかも、このえさはあくまで市の借金となり、国の借金補助金ではなく、回り回って市民に借金を負わせるのでありますから、国にとりましては一石二鳥とはこのことであります。しかも、この解禁は各市町村に通知をするだけで、コストはほとんどかかっていないのであります。増税によって市職員の退職金を支払うことに喜ぶ市民が果たしていますでしょうか。市長はこの現実をどう受け取り、こたえようとしているのか、先ほどありませんでしたね。お答えください。何らかの対応策を打たなかった責任についてまで及んでください。 それでは、次に移ります。 市長は、新聞紙上で平成19年度予算案を発表なさり、一般会計3.5%増、734億9,000万円としてばんえい競馬、屋内スピードスケート場で積極型、社会保障費も大幅増、めり張りづけ編成、屋内スピードスケート場は市負担は想定ラインにおさめたと、いかにも市民に納得させるような、期待させる宣伝文句を報道させました。退職手当債の現状でさえ、先ほど述べたように惨たんたるありさまなのに、借金づくりの先送り、公共財産の食いつぶしであるのに、何が積極型でありましょうか。社会保障費も大幅増と述べておりますが、これは市民負担と国による増税のおかげであり、そこには市長の努力の跡はかけらさえ見えず、国家の政策増税のおかげであり、市民のおかげであります。何がめり張りづけ予算編成でありましょうか。今どき北海道の市町村の中で、道のみならず予算編成で積極型と、さも自信満々に笑顔を浮かべて新聞紙上に発表している市町村長が果たしているでありましょうか。積極型と予算編成をしている市町村がどこにあるのですか。お示ししていただきたいものであります。 ばんえい競馬、屋内スピードスケート場で三、四年の間に少なくとも50億円以上の負債が増加し、未来にあっては市民の想定の域を超えます。帯広市財政破綻への道のりの最大の原因の一つとなり得る危機感はそこにはなく、一顧だにしていないとは、何たる現状認識の甘さでありましょうか。 先ほどからるる述べている借金は、どうやって返済するのでしょうか。しかも、財政不安に追い打ちをかける記事が新聞市場で発表されました。ばんえい馬券、販売黒字なら収益ソフトバンクにとの記事であります。これまた驚きであります。競馬法は明らかに収益、利益はばくちである以上当然あるのが当たり前であり、胴元たる市はその収益金は市民の公共の福祉のために使いなさいと規定されているのであります。競馬法の根本精神であります。収益が上がらない胴元などこの世にあるはずもありません。収益が上がらないばんえい競馬など何の意味もないのであります。 帯広市の単独ばんえい競馬開催は、馬産振興、ばん馬文化を守ったなどと言って悦に入り満足している人がいますが、市長もその一人と推測するものでありますが、帯広市の財政難を救うはずであるばんえい競馬開催とばん馬文化は、分けて考えなければならないものであります。当たり前ではありませんか。帯広市の財政難を補てんする施策は幾通りもあり、ばん馬開催はたまたま地域環境がそうであったにすぎません。ばん馬の収益金と文化とは関係ないのであります。ばん馬文化によって帯広市財政難は解決しないのです。文化とばくちは両立しないのであります。この場合の文化は、だましの錯覚の言葉遣いであります。 文化というものに市長は果たして思いをいたしたことがありましょうか。文化は社会の余裕から生まれ、それを実質あらしめるのは、そこに生きている人々の物心両面における豊かさ、思考の豊かな広がりが、自由度が文化を創造するのであります。ばくちとは異次元の世界であり空間であります。文化や芸能を語るためには、私たちの日常生活を貫き、古代から現代までを語らねばならない、膨大な世界の物語を語らねばなりません。文化、芸能を語るときには、その多様性、多層性、関係性に思いをいたし、そのおのおのが固有な領域と空間を示し、それぞれが相互に重層的に関係性を織りなす織物にも例えられるのであります。そこには神秘や魂や怨念の世界でもあります。その意外性を思うとき、ばくち文化を使うなど、帯広市文化のためにも慎まなければなりません。市長、そうではありませんか。 本問題の基本は、文化などとはほど遠く、ばくちの収益をどう上げるかであり、上げなければ競馬法違反であります。そのときは直ちにばん馬を廃止いたさねばなりません。そうではありませんか。市長、ばくちの胴元としての市長、名誉ある地位を占めているのでありますから、競馬法違反にならぬよう収益に対する確保のほどをまずお答えください。 新聞記事はさらに続きます。新年度からの帯広市ばんえい競馬事業が黒字になった場合、業務委託先のソフトバンクグループが事実上収益金のすべてを得ることで両者が合意していることが2月19日までにわかった。市は、ソフトバンクグループが赤字を負担するリスクもあると説明していると記事は続きます。企業がリスクを負担するのは当たり前であります。一私企業がどれほどのリスクを抱えようと、それは企業が、その企業が破産すればよいことであります。そのことにより社会の清算、ごみ掃除の対象となることは企業経営の常識であり、企業を経営する者の哲理であります。公共体が一私企業に補償を援助することによって一企業が生き残ることは、資本主義の基本原理に反し、企業間競争の不平等を招き、企業の自立精神、道理を辱めることになります。それは社会に礼節を失わせるもととなるのであります。あえて言えば武士道に反します。こんなこともわからない思考能力を失った者が、新聞、報道機関に対し、いかにも正当性があるように答える地方公務員がいるとは信じられません。それがゆえに、非常識とも言える合意文書ができ上がったのでありましょう。 さらに、記事は続きます。帯広市の計画案では馬券販売額が111億5,200万円で収支が均衡しており、販売額がこれを超えると黒字になる、両者の基本合意書によると販売額が157億円以下なら収益金は全額委託料の形で同グループが受け取る、158億円以上だと一部には市にも入るが、市の見込みを46億円以上も上回る馬券販売は困難との見方が一般的だとなって発表されております。両者の基本合意書の内容は、一体何を物語るのでありましょう。これが事実となって実現するとしたら、理解しがたい契約、あいた口がふさがらない、信じられないであります。 そもそもばん馬は、堂々と国家がみずから制定した刑法に違反するばくちを行うものであります。それを公共団体に対して財政難を理由に胴元として運営しなさいと任せるものであります。国家が許認可権限を行使するのでありますから、その下請としての公共団体の悪徳の責任は重たいものがあります。かける国民がどんなに利益を得ようと、どんなに損をしようと、一家離散に追い込まれようと、自殺しようと、ばくちの清算は清算でしなければなりません。そこまでしてそこから得られる金銭は、胴元である帯広市にすべて入るのが当たり前であります。 契約の相手でありますから、あえて言いますが、ソフトバンクのような一私企業に、しかも資本金がたった1,000万円の子会社に、国民の血と汗の勝負のお金を当然のごとく最大限46億円という市民には信じられない大金を強奪されてはなりません。帯広市の投資金額は、清算金を含めて約30億円プラス胴元の権利料が加算されます。ソフトバンクの子会社の投資金は資本金1,000万円プラス従業員の給料プラス宣伝料であります。せいぜい大目に見て1年間1億円の投資であります。この比率は少な目に見ても40対1の比率であります。この比率で当事者の利益は分散いたさねばなりません。それが常識というものではありませんか。そこから交渉は始まるのではありませんか。市長、お答え願います。 次に、帯広市財政破綻への道のりを早めると予測される屋内スピードスケート場についてであります。 市長は、新聞紙上で屋内スケート場の市負担は想定内と述べ、17億5,000万円の当初の考え方でおさまるだろうと楽観視しております。市民の目に市長は迷走していると映っているやさきに、自信のほどを語るから厄介なこととなるのであります。屋内スケート場設置は当初から総額60億円から出発し、その範囲内におさめようと計画されたものであります。そして、国あるいは道の施設として帯広市に建ててくださいという要望から始まり、北海道によって正式に断られてから一時この計画はとんざしたのでありますが、どうしたことかいつの間にか市長の独走が始まり、帯広市独自の施設として世界に開放したいが始まったのであります。目的達成のためにはあらゆる手を使うが始まったのであります。 国や道が断った施設でありますから、財政難もあり、設置に当たってはできるだけ市負担設置金額を市民の目に安いもの、得なものという印象を与える作業が必要でありました。それに利用されたのが現帯広の森リンク改修費、15億円という金額の設定であります。数字のごろ合わせが始まったのであります。屋外リンクはフロンを使用しているので、地球環境に影響を与え、かつ国からの製造禁止もあり、改修工事を20年度までにいたさねばならない、改修費15億円は支出せざるを得ない、どうせやるならこれに近い金額でできる屋内スピードスケート場をつくる方がこの際いいのではありませんかとなったのであります。市長の箱物づくりに表面上の正当性が与えられたのであります。 そして、この改修費ありきの15億円支出は、議会の検証を受けたとは言えず、市長の説明はあくまで不透明なものであることは申し上げるまでもありません。屋内スケート場設置は今や大合唱となり、あたかも親である国や道に対し、子供がおもちゃが欲しいとだだをこねている様相を呈し、これが我が国の世相と重なり、暗たんたる気持ちに陥るのは私ばかりでありましょうか。そこには忍び寄る財政破綻の道のりが待ち受けているにかかわらず、一顧だにされず、狂騒の世界があるばかりであります。帯広市の誇り、自主性、品格、礼節はどこへ消え去ったのでありましょう。帯広市が死して何のスケート文化、体育育成文化でありましょう。世界に誇れる文化発信ができるのでありましょうか。市長、そうではありませんか。反省の時間は十分ございます。撤退の時間も十分ございます。 市長、屋内スケート場の維持管理費に至ってはいまだ不透明であります。維持費は2億数千万円かかるだろうと言われておりますが、この維持費は市長がおやめになってから10年もたたないうちに25億円程度の財政負担となるのであります。しかも、建設本体の元利償還費が加算され、さらに金利上昇が起これば、その負担は予測の域をはるかに超えるのであります。 さらに、懸念いたさねばならないことは、附帯設備である合宿所の役割を果たすトレーナー施設であります。これに数十億円がかかります。これは世界の施設を見てもわかるように、スケート場と並んで設置される重要施設であり、帯広市の計画からはそのことが抜けているのであります。帯広市のスケート場の最大欠陥であります。そこには医者、トレーナー、最新器具、栄養士等々の人的、物的資本を用意いたさねばなりません。そして、注意しなければならないことがあります。総額60億円程度の施設では、できてみたところで、長野市にあるオリンピック施設と比べて子供の施設であることを十分に認識することであります。それほどスケート文化にはお金がかかるということであります。帯広市に国を超える力も能力もないことは明らかであります。 それにいたしましても市長、この時代の流れの中で市長の箱物づくりの情熱はどこから生まれてくるのでしょうか。私には理解しがたく、時々私は異星人かなと思うことがあります。市長から見れば多分そうなのでしょうね。市長、スケート場の維持管理費について、北海道が帯広市に対して支出することはあり得ませんね。おわかりでしょうか。道が拒否した帯広市独自の施設に、管轄違いの施設に道が予算案を計上し、帯広市に支出することはあり得ませんね。それをなすには特別の法律上の根拠、条例上の根拠がなければならないことは当たり前だからです。事実上もあり得ませんね。知事の言葉はその場しのぎの言い繕い、お世辞にしかすぎませんね。市長、肝に銘じてわかっておりますか。 このことは、3市に対するばん馬の積立金要請がそっけなく拒否されたことと同様であります。帯広市単独開催のばんえい競馬施設に3市が支出できないことは、道が支出できないことと同じであります。いまだかつて帯広市が十勝の隣接町村の独自施設に対し、その施設管理費を支払ったことがありますか。町村から支払い要請があったことがありましょうか。市民が納めた税を他町村の施設の維持に使うことは、事実上も法律上もあり得ないのであります。こんなことに疑問符を打たなかった帯広市の公務は思考停止のきわみではありませんか。市長に苦言を呈する職員は一人もいなかったのでしょうか。市長、お答えください。大いなる反省を求めます。 市長の執行権は絶対的なものではなく、人間は過ちを犯すことは当たり前であることの認識に基づき、社会制度は注意深い制約を課していることを市長は知らねばなりません。今年度のスケート場に関連する予算案は、誤りを含むにかかわらず、それがなきものとして市民及び議会を錯覚させ、当然補助金はあるものと信じ込ませたのです。スケート場ありきの市長の執行権限行使の失策責任は余りに重たいと思考するものであります。財政難から来る補助金行政になれ親しんだ市政が思考停止を生み、こういう事態を生んでしまったのであります。税というものを市民に再配分するとき、公共の福祉のために役立てるとき、それぞれの地方公共団体はどんな責務が課せられるのでしょうか。まず第1にとられるべきは、それが形式的手続において平等であるかどうかが問われ、その次には合理的、効率的配分であったかが問われ、目的遂行のためにその成果が問われ、目的遂行のために他の費目を侵す流用が禁止され、最後には正当性、正義にかなう支出であったかが問われ続けるのであります。 市長は、これら複雑な過程を経ての税の再配分の規律を忘れ、財政法上の基本原則によって常に監視されている事態を無視、管轄外の補助金をよこせの市長が、支庁、道や他市に対し繰り返しているその姿勢は、だだをこねている姿勢そのものではありませんか。帯広市の恥とはなりませんか。礼を失していることになりませんか。帯広市の誇り、自立自尊、品格をおとしめることになりませんか、お答え願いたい。 市長、さらに続けます。長野市にあるエムウェーブは、年間4億5,000万円の維持管理費がかかるとのことであります。一年じゅうあらゆる催しに努力に努力を重ねて、その収入は8,000万円程度であります。広告料収入は激減とのことであります。そのうちスケートによる大会収入は8,000万円のうち1割あるかなしかの微々たるものであります。毎年の3億7,000万円の赤字は、合併しても足しにはならず、一般財源を食いつぶし続けているとのことであります。職員の吐息には同情を禁じ得ませんでした。国から無償でいただいた施設がこんなありさまです。それにもかかわらず、長野県は維持管理費に一切関知しないのであります。当たり前であります。帯広市が設置する屋内スピードスケート場は世界に開かれていても、北海道の施設ではありません。ましてや国のものではありません。あくまで帯広市のものであります。北海道、国のためにつくったと幾ら豪語しても、それはむなしい言葉となって返ってくるだけであります。もしかして、国のため、道のためにつくった施設であると錯覚しているのは市長だけではありませんか。お答え願います。 2回目といたします。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 退職手当債のお話がございましたが、先ほどもお答えしましたけれども、この課題につきましては、帯広市の職員、ほかの市も町村もそうでありますけども、団塊の世代という職員層が大変多うございまして、それが一挙に退職の時期を迎えるということで、その際に支払わなければならない退職手当をどう捻出し、支払っていくかということは大きな課題でございました。そういうことから、退職手当が非常にかさみますと、非常にほかの行政需要に影響を与えるということで、できるだけ平準化をしていきたいというのが私ども考えていたことでございます。そういう中で退職手当債という地方債を発行して負担を平準化をしていくと、将来分割して払っていくわけですね、退職手当債というやつは、償還していくわけですから、そういう意味では負担の平準化という観点から取組んできたところであります。 ただ、この退職手当債というのは、地方債でありますけども、発行が認められておりませんでしたので、これをやはり制度として国の方で認めてもらいたいということで、従来から市長会長を通じて要求をしていたところです。これが制度化されたということであります。そういうことから、できるだけ私どもとしては有効に使っていきたいということであります。 帯広市としては、毎年の退職手当の額が10億円を超える場合、その超えた額についてこの退職手当債ということで財源手当をしていこう、そうすることによって退職手当の負担を平準化をしていこうということでございます。そして、この退職手当債というのは通常債の扱いをしますので、私どもの独自の地方債の発行の限度額、1年間45億円ということを思っておりますけども、この範囲内でこの退職手当債も含めて考えていこうということで今考えてございます。 そういう意味では、職員の方には退職手当はそのままお支払いをしますけども、市の財政にとっては退職手当の過大な負担を将来の分割払いという形の効果が出てくるんじゃないかなと、市の財政にとっては、そういうのに考えてございます。そういう意味では、この退職手当債というのは非常に私どもとしては有効な手だてだというふうに考えてございます。 それで、問題は退職手当債というのはどんどん発行していいというものではありません。条件がございます。それぞれの自治体にとって将来きちんとした定員管理、それから給与の改革、改定をきちっとやっていく、そういうことができる自治体でないと発行はさせないよ、こういうことでございます。幸い、帯広市は従来から行財政改革に早くから取組んでおりまして、定員管理、それから給与の改善についても前向きに取組んでおりますので、そういう意味でこの退職手当債の発行が認められたということでありますので、これを有効に使っていきたいというふうに考えてございます。 それから、予算の話がありました。19年度予算につきましてでございますけども、積極予算という話がございましたが、そういう新聞記事もございましたけども、3.5%の増ということでございますが、これは単純な総額ということであります。ただ、この中にはお話しありますばんえい競馬の、4市のばんえい競馬の廃止に伴います清算金、従来の赤字等々の清算金を19年度当初予算で処理をするということがあります。そういうものが含まれております。10億円ほどお願いをしておりますけども、それも含めて3.5%という増になっております。このような特殊要因を除きますと、1.5%の伸びということになろうかというふうに思ってございます。そういう意味で積極予算と言えるかどうか、どう判断するかはそれぞれあると思いますけども、実態としては1.5%の伸びということであります。 そして、この伸びは介護保険、非常に需要がふえておりまして、介護保険会計等に充実が必要、それから国民健康保険についても非常に総額が膨らんできてございます。そういう中で、それも含めた社会保障費が増高してきておるということもあります。そういう今日的に対応が急がれるもの、それから地域経済の活性化に対するいろんな施策、さらには子供たちの安全対策等々に意を用いた結果、1.5%の伸びということになっていると考えてございます。 それから次に、ばんえい競馬についてお答えをいたします。 競馬法等についてるるお話がございましたけれども、確かに法律の目的、競馬法という法律がございまして、法律のその目的の趣旨が明示されてはおりませんけれども、国等々が従来から示しております考え方から、競馬というのは市の財政に寄与するということです。それから、畜産、馬産ですね、畜産の振興に寄与する、さらには国民に健全なレジャーを提供する等々に努めるということ、そのために競馬というのはやられているということであります。 御承知かと思いますけども、ばんえい競馬は世界で唯一の形態の競馬であります。昭和28年に市営競馬は発足しております。それから、その後に4市による競馬組合という形をつくりまして、運営をしてきたのが18年度まででございます。そういう中で、4市全体としまして競馬の発足以来224億円、それぞれの当時の名目の価格でありますけども、224億円余りを収益を上げて、それぞれの市の財政に大きく貢献をしてきたという実績がございます。この224億円というのは、4市でありますので、帯広市にとりましてはその約4分の1の52億円ほどになりますけども、それだけの収益を上げて市の財政に貢献をしてきたところであります。この貢献によりまして、学校施設とかコミュニティ施設とか、いろんな施設の充実が図られてきたというふうに考えてございます。 しかしながら、残念ながら最近の状況では特にバブル崩壊後、レジャーが多様化することなどによりまして、平成3年度をピークに今日まで売り上げの減少が続いてきてございまして、大変厳しい経営状況になっているというのが現状でございます。しかしながら、このばんえい競馬というのは、お話の直接的な収益だけでははかれない周辺の効果を生み出してございます。馬の生産者の生産意欲を刺激する、あるいは競馬に関連する、あるいは馬生産に関する雇用が生じて、その雇用を支えていく等々、畜産振興などに大きな役割を果たしてきているということに意義があるというふうに思ってございます。 また、別の角度から見ますと、この競馬は世界で唯一の競馬の形態でございまして、北海道遺産ということで登録されるなど、北海道の開拓期における貴重な馬の文化を今に伝えるという資源であるというふうに考えてございます。これを観光を初め地域の産業や地域全体の活性化への大きな貢献が期待できる資源であるというふうに考えてございます。そういうことから、何とか帯広市単独で存続していきたい、そういう状況を探ってきたところでありますけども、市の財政に新たな財政負担を与えることなく存続できるというめどが立ちましたことから、存続の決断をしたところでございます。 今般、19年度からの新しい新生ばんえい競馬という形になります。中央競馬は依然として厳しい状況がございますけれども、そういう状況を踏まえながら、民間の知恵と、それからノウハウを生かしまして、業務を最大限民間に委託をしてお願いするということによりまして、ばんえい競馬を新しい形で再生するということを最優先としたところでありまして、利益が仮に出た場合は、その利益につきましては主催者の必要経費を除いて売上額、売得額が一定額に達するまでは受託者の収益としているということで、そういう形で民間活力の導入を図っているところでございます。 そういう考えのもとに、19年度の競馬の開催につきましては、民間企業との基本合意に基づきまして単年度契約ということになります。20年度以降の実施の契約等々につきましては、19年度の実績を見ながら改めて民間企業と協議をしていかなければならないというふうに考えているところであります。 次に、屋内スピードスケート場についてお答えをいたしますが、このスピードスケートというのは、やはり十勝の自然環境あるいは風土に根差した北国の文化ということであります。また、子供から高齢者の方まで幅広く親しめる市民スポーツとして、帯広・十勝に定着しているというふうに思います。北海道の開拓以来、1世紀をかけて蓄積してきた、ある意味では北海道の財産でもございます。そういう意味で、北海道の、道庁ですね、北海道のスポーツ振興計画というのがございます。それから、広域拠点スポーツ施設整備促進の基本方針というのを北海道が持ってございまして、その中で屋内スピードスケート場の整備促進ということが位置づけられてございます。また、北海道知事が道議会の一般質問で、市町村のスポーツ拠点づくりなどへの取組みを支援するという御答弁もされているということもあります。そういうことから、建設費の支援とともに、維持管理費につきましても文書により支援を要請してきているところでございます。事業費を含めた支援のあり方につきましては、引き続き北海道と協議を進めてまいりたいと考えているところであります。 ○鈴木孝昌議長 28番石井啓裕議員。 ◆28番(石井啓裕議員) 3回目に移らせていただきます。 私が今まで述べてきたこの退職金のあり方、それからばん馬、スケート場、こういう基本的な視点と申しましょうか、そういうものをきちっと踏まえながら、ばん馬についてもこれからいろいろと交渉があろうかと思います。そういう視点を腹に据えながら当たることが、当たることがですよ、どれほど大切なことか、姿勢というものをきちっと踏まえて、そして多くの人々の意見を聞きながら、それを参考にしながら、思考の対象にしながら行政運営を進めていただきたいもんだと、こういうことを申し上げているんでありまして、そういう視点もなければ物事の交渉はうまくいかないんですよ。公務だけでは考えてはならない。社会や経済、政治、文化、哲学、倫理、道徳、そういうもの全般を含めてきちっとした姿勢で市政運営に当たらなければ、財政運営はただただ失敗するだけであります。そのことを申し上げたいんですよ、市長。 それでは、3回目の質問をいたします。 市長は、3月1日、平成19年度市政執行方針の要旨を公表いたしました。ざっと目を通して感じるのでありますが、いつもそうなのですが、従来と同じで、何かスパイスが欠けているなと思わせられるのであります。国や道の基本施策と流れを帯広市に当てはめ、そこをなぞっていれば、まちづくりの1年間が完了する、安全圏へと逃れられるとの印象を受けるのであります。それは当たり前かもしれません。市政の8割から9割が立派な国と道の模範、見習うべき手本があるからであります。中央集権の弊害が地方自治の思考能力を停止させているのであります。スパイスが足りないと感じるのもいたし方のないものでありましょう。 市政執行方針の中で、国や道の意向に反したものが二、三あるのが今年度の特徴といえば言えるでありましょうか。国や道の意向に反したもの、まず第1に屋内スピードスケート場設置であり、ばんえい競馬1市開催であります。これは明らかに国や道にとりましては、今どき余計なことをしてくれる、新たな出費と費用を使わせてくれるもんだが国や道の腹の中であります。市長、市長は元官僚でありますから、官僚の腹のうちを十分御存じかと思いますが、あえてこれら政策は官僚の腹のうちに逆らったのでありますから、ある意味で感心いたしております。 そして、最も重要なことでありますが、第2に、健全財政をさらに怠ったということであります。そのそぶりさえないという態度に市長は終始しているのであります。健全財政への道のりの遠さと厳しいまでの覚悟は、市政執行方針から全然伝わってこないのであります。地方自治確立への意欲が市政執行方針からは伝わってこないのであります。最も欠けていることであります。地方の健全財政こそが、国が最も喜ぶ地方自治のあり方であります。地方あってこその国づくりであるからであります。帯広市の現状は、この国の基本政策に見事に逆らっている、国の意向に反していることを肝に銘じねばなりません。 第3に、国の意向に反しているのが合併であります。これが市政執行方針から欠落しているのであります。市政執行方針において、何が広域連携都市でありますかとあえて言わせていただきます。市政執行方針で述べられている広域連携都市構想は、日本国じゅうの都市で、市町村で当然行われていることであります。語るなとは言いませんが、そんなことは言いませんが、合併の項を設けるべきであります。合併問題らしきことを最後の2行で述べております。それは、今後の分権改革の動向などを踏まえ、各町村との連携のもと、引き続き広域行政の推進に努めてまいりますであります。合併に失敗した市長の後遺症であることはわかりますが、広域行政の推進などというもっともらしい言葉を使って逃げてはなりません。合併によらない広域行政は、果たして機能するのか、合併によらない広域行政が現に機能しているのかが問われ続けている昨今においては、なおさらのことであります。 以上4点が、市長が見事に国に逆らった、意向に反した市長の平成19年度市政執行方針でありました。市長、そうではありませんか。市民の疑問にお答えください。 次に移ります。合併についてであります。 地方分権と、それに伴う合併については、だれの目にも明らかになりつつあり、さまざまな議論が展開されているのであります。そして、そのことの重要性をいち早く認識し、時代を先取りし現実のものとしているのは、北海道を離れて本州へ参りますと、歴然とはっきりとした事実となってまいります。普通交付税を必要としない市が職員費、退職金支払いに一切懸念を持たない、そういう市が日本全国で100市を超えるのでありますよ、市長。そんな退職金を借金してまでなんて、そんな財政運営をしているのが当然と思ったら大間違いであります。本州では100市以上も超えるのであります。さらさら心配していないのであります。無論、これら不交付団体においても、特別交付税については国や県からいただいているのでありますが、不交付市の歴史を尋ねてみますと、例外なく合併をしている歴史を持つのであります。それは、単に財政環境のよさばかりでなく、大変な努力の集積のたまものであったのであります。 このことを見てまいりますと、帯広市の財政のあり方がみじめになってくるのであります。市民、企業が納める税の約3倍が国や道から再配分されてくるこの財政のあり方、この貧しい現実の厳しさ、現状において、補助になれ親しみ、甘え切ってよこせよこせの姿勢が帯広市の品位、品格を損ない続けているのであります。それがゆえに、健全財政でなければならないと市長に毎回くどいほどの質問となるわけであります。今や我が国における行政システムの変革は、そのうちの一つの合併は、不可避な事態となっていることはだれの目にも明らかとなっております。このことは、地方分権、地方行革、地方財政の健全化は必須の事態であり、地方自治体に対する要請であります。自主的な市町村合併をいかに進め、少子・高齢化社会に生ずるさまざまの行政需要に対処すべき行政体制をいかに整備すべきか、このことは帯広市の地方自治の大いなる進展の試金石ではありませんか。 市長、ばくちやスケートリンクづくりに心を奪われる時代ではないのではありませんか。市長、地方分権が推進されれば、帯広市の自立性、自主性がますます要求され、その役割は増大し、責任も大きなものとなるのであります。そのとき帯広市が市民のための施策をより強力に展開するにふさわしい行財政規模を持ったものでなかったら、一体どうなるのでありましょうか。ばくちやスケート場は将来に増す市民需要に備える機会を失わしめ、現にある市民需要を奪い続けているのであります。市長の最大の任務は、将来への道筋をつけ、それに先手を打って今から備えることであります。帯広市の不健全財政はこれらのことを考える余裕さえ失わしめているのであります。 市長、このことのために帯広市財政はどうなっているのか、市長はこのことのためにどんな先手を打っているのか、お答えください。 そして、さらに市町村存立の基盤である人口が崩壊現象を呈し、それによる行政遂行能力の低下は避けがたい、少子化は既に深刻な事態となっております。合計特殊出生率は今や1.4を下回っております。静止人口をもたらす出生率はおよそ2.1であります。帯広市の人口は減り続けています。これが加速度的に減ったら、帯広市の財政規模も縮小し、市の職員数も減少し、行政執行能力の低下は避けがたく、帯広市の活力を奪ってしまうのであります。しかも、高齢化の進展に伴い、老人介護、医療保険等々の福祉問題は最も市民に身近な市の重要な仕事として増大してまいります。これらのことをかんがみれば、事態は深刻であります。市長、眠られぬ夜を過ごす市長にあって、この深刻な事態を解決するためにどのような人口規模を想定しながら都市問題を考えてきたのか、十勝全体地域社会発展のためにどの程度の人口規模で、そして職員数はどの程度必要かを考えながら合併を進めようとしているのか、お答え願いたい。 去る平成18年10月21日土曜日、札幌市において北海道市町村合併シンポジウムが開催されました。主催者は北海道で、北海道知事が開会あいさつを行い、基調講演とパネルディスカッションがあったのであります。少しは刺激を受けたいと同僚議員鳥越さんと出席いたしました。ほかにも数名帯広市議会の同僚も出席していたのであります。パネルディスカッションでは「考えよう地域の将来、豊かな住民生活を目指して」と題し、基調報告は北海道市町村合併推進審議会会長の小磯修二氏が行い、そのほか4名のパネリストにより意見交換がなされました。その中で「平成の市町村合併とは何か」で基調講演をなさった東京市政調査会理事長、東京大学名誉教授であります西尾勝氏の講演は余りにも刺激的でありました。氏は地方分権推進委員会委員であり、第24次から28次までの地方制度調査委員であることを述べ、私はこの調査委員としては変わり者であり、いつも物議を醸すので嫌われ者として有名でありますと述べられたのであります。その後のお話の中のごく一部でありますが、私の解釈も入っていることと思いますが、御紹介したいのであります。 氏は述べられたのであります。北海道の人と東北の一部、四国と九州のごく一部、沖縄の人たちは何を考えて生きているのでしょうか。時代の流れを読み解く能力を十分発揮しているのでしょうか。特に、北海道は合併はないに等しい。合併しなくても自立できると考えているのでしょうか。合併しても大変なことなのに、国はいつまでも補助金をくれるとでも思っているのでしょうか。国が行革を決断したときに、本州では、特に関東から関西に至る諸都市は、補助金カットは当然のこととして動いたのであります。合併へと動いたのであります。時代を先取りすることに敏感なのです。そうではありませんか。北海道の市町村は、いまだまだまだ大丈夫、何とかなるさ、そう思っているんでしょうか。国が行財政改革に乗り出した時点で、国は地方を見捨てたのであります。補助金行政をやめたのであります。その限度は生かさぬよう、殺さぬようであります。国自体が大変なことになっているから当たり前ですと、大要こんなことから話しいたしたのであります。頭の中では十分理解していたのですが、内閣行政改革推進本部専門調査会委員西尾勝氏のお言葉でありますから、その現実感に私は打ちのめされたのであります。全く疲れたなあという思いで会場を去ったのであります。 それにしても、知事は北海道の市町村がこうなのだから私の責任ではありませんと、このシンポジウムを保身のために、選挙も近いことでもあるし、開催したのかなあと、鳥越さんと語ったものであります。希望のない疲れた1日でありました。 市長、スケートに熱中している場合ではありません。合併の熱意、覚悟のほどを、失敗を反省としながら、将来の十勝の礎をどう築くか、その発展の基盤を見据えて語ってください。お答えください。 代表質問の締めくくりに当たり、市長の思考の対象の一つとなれば幸いと思い、一言つけ加えさせていただきます。 それは、大学基金をばん馬清算金によって取り崩すとの新聞発表がなされたことによる大学設置への影響についてであります。しかも、実現に向けたうわさ話が静かに流れた話についてであります。つまり、改めて30億円の基金は、私たちが思っている以上に国の内外から高く評価されているということがこうした話を生んだと思うのであります。大学に関しては、さまざまな話が浮かんでは消え、消えては浮かぶのが常であり、あくまでもうわさの域を超えない話はさまざまあるのであります。たとえうわさ話であっても、その対応策を今から思考の対象、心遣いをする必要はあろうかと存じます。大学問題は、あらゆる視点から考える必要があり、座して待つことではないからであります。 市長、時代の流れは人知を超えたものであります。予測もしないことが突如あらわれるものであります。たとえ可能性であっても時代を彩り、変化を与えるものであります。人々の思いの多様性、多層性、そしてその上での関係性に神秘を感ぜねばならないと思うものであります。市長は、ただ座して孤独のうちに行政権力、執行権を行使してはならないと思うものであります。それは、明治以来の執行権行使、民を見下したものにすぎません。執行権という名のもと、民に沈黙を強いてはなりません。21世紀を迎えて文化度が高まったこの時期に、凝り固まった旧来の執行権概念で事をなしていては、時代に適合することはできません。今や、執行権概念は民主主義によって回避させられたのであります。政策決定に当たっては、多くの職員に耳を傾け、議会の議員の苦言の声に耳を傾け、市民の声に耳を傾け、その総合力によって、その総合値によって政策決断はあるものであります。執行権概念を明治以来の旧態依然たる執行権概念でもって市政を執行してはなりません。それが公共性というものではありませんか。それが公共の精神ではありませんか。歴代市長の中で財政運営に失敗した市長として汚点を残すことのなきよう希望するものであります。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 地方財政につきましては、高齢社会の到来によります担税力の低下に加えて、医療とか、あるいは介護などの社会保障費の増高への対応など厳しい環境にあるものと認識をしているところであります。帯広市におきましては、健全な財政運営は地方自治を推進する上で重要な課題であるとの認識のもとに、行財政改革や自主財源の確保などを積極的に行ってきたところでありまして、今後も一層の取組みを進めていく考えであります。 人口についてのお話がございましたが、我が国の総人口は2005年をピークに減少に転じ、今後長い期間にわたって減少していくということが予測をされております。必要な人口規模の想定には困難性が伴うわけでありますけれども、人口というものは地域の活力の維持と密接な関係にありますことから、少子化対策はもとより、定住促進に関する取組みが重要であると認識しているところでございます。 このような厳しい財政状況や人口減少時代が到来する中で、基礎自治体である市町村は住民に最も身近な行政主体として自主的、自立的な行政運営が求められております。行財政基盤の確立のため、自主的な市町村合併が全国で推進されてきているところであります。 十勝におきましても旧合併特例法のもとにおきまして、市町村がそれぞれの枠組みで真摯に合併協議などを行った結果、ほとんどの自治体が自立を選択し、現在に至っているということであります。この十勝は、管内の市町村がそれぞれの役割を担いながら、ともに発展をしてきたという歴史がございます。今後も一体的な発展を目指すことが大切であると考えているところであります。そのためには、まず各市町村が行財政基盤の強化などに積極的に取り組み、自主性、自立性の確保に努めることが大切であります。その上で今後の分権の動向等を見定めながら、圏域全体として効率的、効果的な行政を実現するために、広域行政や市町村合併などの十勝における自治のあり方ということについて、幅広く検討していく必要があるものと考えているところであります。 なお、大学に関するお話がございましたが、残念ながら新たな大学の設置につきましては、これまでさまざまな取組みを進めておりますものの、具体化に向けて進展はしていない状況にございます。ほかの都市の状況などを拝見しますと、大学の存在というものは教育、研究、文化あるいはにぎわい性等々、都市というものの活性化に実に大きな役割を果たしていると感じているところであります。厳しい環境下にあることは否めない事実でありますけれども、あらゆる可能性を求めて粘り強く取組んでまいる考えでございます。 最後に、執行権のお話がございました。自治体行政はさまざまな段階で政策決定の連続であります。常に職員の意見を聞き、また全体としての力を一つの方向に向けながら行くということで、私としては今後とも時代の変化を見定めながら、しっかりとしたまちづくりを進めていかなければならない、かように思っているところであります。 ○鈴木孝昌議長 以上で石井啓裕議員の発言は終了いたしました。 暫時休憩いたします。         午後0時40分休憩         ────────         午後2時0分再開 ○鈴木孝昌議長 再開いたします。 次に、稲葉典昭議員に発言を許します。 20番稲葉典昭議員、登壇願います。   〔20番稲葉典昭議員・登壇・拍手〕 ◆20番(稲葉典昭議員) 日本共産党帯広市議団を代表いたしまして、市長の政治姿勢について順次ただしていきたいと思います。 質問が多岐にわたることから、簡潔明瞭な答弁を最初にお願いしておきたいと思います。 市民の暮らしは、政府の景気回復のかけ声とはほど遠く、特に貧困と格差がますます深刻になってきております。安倍内閣が発足して最初の月例経済報告は、日本経済の景気回復は2002年2月以降続いており、これまで戦後最長だったイザナギ景気の57カ月に並んだと述べました。そして、11月の同報告では、個人消費の低迷のため景気判断をやや下方修正しましたが、今回の景気拡大は58カ月となり、イザナギ景気を超えて戦後最長記録を更新したと政府見解を発表しました。そして、現在までこの景気回復期は続き、戦後最長記録を更新しているそうであります。 しかし、今回の景気回復は初期の段階から二極化した景気であり、かつてない日本型の格差景気と名づけた学者もおります。これは、戦後最長景気という今回の景気回復の中身とイザナギ景気を比べてみると一層明らかになります。1965年から75年、そして1995年から2005年までを比較しますと、国内総生産、GDPは最初の10年間は32兆7,000億円から147兆7,000億円へと4.7倍にふえております。ところが、1995年から2005年を見ますと493兆円から502兆円へと、わずか2%しかふえておりません。労働者の賃金を比べてみても、イザナギ景気のころは毎年10%以上が賃上げされていたので、10年間に賃金は4.7倍にふえました。ところが、今回は毎年1%から2%、10年間で2割しか上がっていません。しかも、賃上げがあるのは大企業の正規雇用者が中心ですから、零細企業の労働者や非正規雇用の場合は、賃上げどころか働き続けることすら困難な状態が広がっているわけであります。現金給与総額で見ると、今回は1998年以来マイナスが7年間も続いているわけですから、まさに働いても貧困から抜け出せない、こういう状態に置かれているわけであります。ですから、戦後最長景気などと言っても、労働者や国民の雇用、暮らしの面から見ると、全く実感がないのも当然なことであります。 市長の景気に対する認識と日本型景気格差、こういう実態の原因について、その認識についてまずお伺いしたいと思います。 本来、社会的格差を是正する方法の一つが税と社会保障の仕組みであります。しかし、小泉内閣から安倍内閣のもとで庶民には5兆2,000億円の増税、大企業、大資産家には3兆7,000億円の減税が実施、計画されております。ことしも定率減税の全廃で1兆7,000億円の増税、税源移譲との名目で住民税がフラット化され、多くの市民が大増税になることになります。定率減税全廃でふえる市民負担は、住民税のフラット化で市民への影響について、増減それぞれについてお聞きもしておきたいと思います。 さらに、住民税の税率アップに伴って負担増になる行政サービスや使用料についてもお聞きをしておきます。 市政は国の悪政の防波堤になり、地域経済の活性化と市民福祉の向上のための施策を展開しなければなりません。1998年以降の不況は、帯広市で1万件を超えていた事業所を、2004年の事業所統計では9,000件を切るところまで減少させました。その一方で、従業者4人未満の小規模事業所は8.2%もふえているわけであります。事業所全体でも85%を占める従業者10人未満の事業所が地域経済を支えているのであって、ここに視点を当てた中小企業施策が展開されなければなりません。中小企業基本法6条には、地方公共団体の責務として、地域の諸条件に応じた施策を策定し、実施する責務を負うとなっており、地域の諸条件に応じた施策を策定するためには、中小企業の実態、そして問題点と対策を具体的に把握しなければなりません。 私は、これまでも墨田区などの先進例も示しながら、自治体職員が直接地域経済を支えている中小事業者のもとに足を運び、実態についてアンケート調査を行うことによって、その振興のために汗を流そうと肌で感じることを目的に実態調査を求め、3度の商業経営実態調査、そしてことしは製造業実態調査を行い、中小企業者の声を直接聞きながらの調査が行われてきたわけであります。こうした経過を経て今議会に中小企業振興基本条例が提案されているわけであります。 帯広市中小企業振興基本条例の特徴は、第1に、第3条に示されているように、地域の特性に応じた独自の施策を行うことを強調している点であります。不十分な点はあるとはいえ、これまで行ってきた実態把握からの問題意識のあらわれだと考えているところであります。そして、目的を達成する基本方向を示しており、市が行うべき施策の大枠が示されています。さらに言えば、第3条に6号として、中小企業従業者の福祉の向上に関する施策、第7号として中小企業に関する調査及び情報の収集、提供等に関する施策を挿入したらと思いますが、いかがでしょうか。 特徴の第2は、市長の責務、中小企業者の責務と努力、市民の理解と協力という行政、中小企業者、市民がそれぞれの立場で役割を持つことが記されているということであります。この三者がそれぞれの立場で中小企業振興のことを考え、役割を持つということが重要なのであります。第4条市長の責務には3項として、国その他の関係機関と協力して施策の推進を図るとともに、必要に応じて国などの施策の充実及び改善を要請すること、このことを挿入してはと思いますが、いかがでしょうか。 基幹産業、農業の将来、日豪FTA、EPA交渉についてであります。 帯広市の基幹産業は、何といっても管内2,500億円前後の粗生産を毎年上げている農業でありますが、政府は昨年12月、日豪FTA、EPA交渉を開始することを決め、北海道の農業生産者に激震が走ったわけであります。仮に小麦、砂糖、乳製品、牛肉の4品目について関税が撤廃されたとすると、北海道庁は1兆4,000億円の影響、雇用は4万7,000人、完全失業率で3.2%上昇すると試算しました。帯広・十勝の産業構造を考えたとき、公共事業が半減している現在、農業を中心に関連産業と管内からの消費都市としての帯広市は成り立っており、その存在基盤を大きく失うことになりかねません。帯広市並びに十勝における影響額についてお伺いをいたします。 農業とともに地域経済を支えてきたのは公共事業でありました。1995年から2000年までの間は、1,700億円から最大2,100億円の公共事業が十勝管内に発注されていましたが、構造改革が始まった2001年から毎年減少し、昨年はついに1,000億円を切り、今年度は12月末で779億円ですから、900億円に届くかどうかという水準で推移をしています。しかも、高規格道路などの大型事業は継続されているわけですから、生活密着型の公共事業の減少率が大きいことになります。 帯広市の決算状況を見ても、普通会計ベースで1998年に216億円あった投資的経費が昨年度は103億円に、国と同じように半減しているわけであります。こうした公共事業のあり方については別の機会に論じるとして、国のバブル後の公共投資基本計画に巻き込まれながら、帯広市も右肩上がりに公共事業を増大させてきたわけでありますが、そのツケは毎年100億円近い公債費の重荷となって財政を圧迫しております。 国の公共事業計画が破綻し始めた99年、日本経済新聞は、日本の公共事業の功罪という連載を行いました。90年のバブル崩壊に始まる長期不況に対し、政府は92年から補正予算での公共事業の上乗せによる景気対策を実施した。98年度までの総事業費は100兆円、これだけの資金をつぎ込みながら景気回復がおくれ、不況の深刻化に歯どめをかける程度の効果しかない。政府が景気対策として実施している公共事業のほとんどは借金で賄うから、政府の債務は累増する一方だ。だが、公共事業による景気刺激効果や生産力増強効果は低下している、こう鋭く分析していたわけであります。 こうした負の遺産を抱えながら、砂川市長は予算編成を行っているわけでありますが、さらに財政構造改革のもとで地方に対する締めつけは一層厳しくなっております。ですから、財政運営の中でどう事業を種々選別していくか、大事な課題となってくるわけであります。 私はこれまでも何度となく公共事業、社会保障、福祉、医療、教育など経済の波及効果も視野に入れながら選択を行うべき、こう申し上げてまいりました。産業連関表を用いて国が試算を行っておりましたが、その後北海道など都道府県が行い、政令市までが試算を行っております。1兆円の需要に対する社会保障と公共事業の経済波及効果を比較しますと、生産効果比較では2兆7,000億円前後でほぼ同額、GDP効果比較では公共事業1兆4,000億円、社会保障1兆6,000億円と1.1倍、雇用の効果比較では公共事業20万人、社会保障26万人と1.3倍との試算結果が示されております。市町村単位になりますと、この地域が狭くなり、産業連関表での試算は実態に合わなくなるということから、社会保障、福祉の需要から地元経済への波及を次々に積み上げていく方法での試算が示され出していることは御承知のとおりであります。 帯広市が事業形成を進める上で、こうした経済波及効果の試算も行えるよう研究もしてみたい、こうした答弁も過去あったわけでありますが、その後どういう試算を行ってきたのか、お聞きするものであります。 事業選択ができれば、次はどう発注するか、このことが問題になります。私はこれまでも適正な入札と適切な落札について具体的な提案も行ってきました。官民の癒着と不正はこの問題を通して行われることが多く、昨年も多くの自治体で摘発が行われ、首長の辞職、出直し選挙が行われてきたところであります。入札の透明性、適切な仕事の確保、公共事業の社会的貢献を落札率だけで判断していいのか、こういう問題を提起してきたわけであります。落札率だけを入札の透明性のバロメーターにすることは、ダンピングの温床になりかねないということも警鐘を鳴らしてまいりました。 大阪府では、事前に価格以外の技術などの評価基準、評価点を定め、総合点が最も高いものを落札者とする制度を、そして広島市では評価項目を定め得点化すると同時に、環境や障害者雇用など項目を定め、加点、減点を行っております。芦屋市では管理運営上の留意点を定めると同時に、雇用の継続についても求めているなど、総合評価型入札制度の全国の先進例も紹介しながら、入札制度の改善について求めてきたところでありますが、その後の進展についてもお伺いするところであります。 帯広市の事業所の実態は先ほど申し上げましたが、建設業の事業所数は1996年に1,086事業所あったものが、直近の事業所統計では948事業所、そして従業員が4人以下の事業所は、その62%を占めているわけであります。そこに働く従業者は、全建設労働者の4分の1を占めるわけですから、地域経済振興のためにもしっかりとした対応策が必要と考えます。 地域の中小事業者の仕事確保ということから何度も質疑をし、2003年度の途中から実施された小規模修繕登録制度、年々その発注が増加し、中小業者からも喜ばれているところであります。この制度は、市が発注する小規模な修繕の契約において、小規模な事業者を対象に登録制度を設けることによって、市内事業者の受注機会を拡大し、もって市内経済の活性を図ることを目的に実施されているわけでありますが、この間の利用実績についてお伺いするものであります。 私は、これまでも建設業者や建設労働者のための仕事起こしと雇用対策として、住宅リフォーム助成制度の創設を提案してきました。この制度は全国の自治体で広がっており、今年度は19の都道府県、72の自治体で実施されているわけであります。これは住宅リフォームに5から10%の助成をするという制度であり、先行して実施している自治体では、20倍から30倍の経済効果が出ているという調査結果も報告されております。市長はこの制度の創設に関し、防災施策として建物の耐震化に対する支援方法を検討しており、あわせてリフォームなどの支援策についても検討したい、こうした答弁をしてきたわけでありますが、どのような検討がされてきたのか、お伺いするものであります。 次に、安心して住み続けられるまちづくりについてであります。 市長は市政執行方針で、分権の進展により基礎自治体は市民に最も身近な行政機関として、みずからの責任と判断で実情に応じた行政運営が可能になる。行政は常に最少の経費により最大の効果を生み出すことを基本に運営しなければならない、こう述べております。もっと言えば、政治は税金の集め方を決め、そして使い方を決めるところ、その基準は憲法と住民福祉の向上ということだと思います。砂川市長は夕張市の財政破綻に対し、看過できない、ショックなこと、こう述べたと報じられておりました。夕張市が財政破綻した原因とその対応について市長の考え、そして認識についてお伺いするものであります。 夕張の財政破綻から財政再建に改めて認識を深めた、こう語ったとも報道されておりました。私どものところにも多くの市民から帯広は大丈夫、財政が大変だからと住民サービスを次々に削減しておきながら、ばん馬の赤字の処理、屋内スケート場の建設、退職手当債の発行、優先順位が違うんじゃないのなどなど、毎日のように市民から声が届けられております。一次行革を1年前倒しして実施した第二次行財政改革は、平成16年から21年までの6年計画で推進され、3年が経過いたしました。財政収支見通しも改めたわけですが、半分が経過した二次行革の中間総括もなければ、市長選での市長公約、新行財政改革推進計画も出されるわけでない、財政収支見通しを作成した目的、そして二次行革の中間総括、市長公約との整合性について伺うものであります。 二次行革の中心は、事務事業評価の見直しであります。3つの基本的視点と言っておりますが、この見直しだけで行革の約半分の効果、そして効果的な行政運営という柱では、全体の7割以上上げる仕組みになっているわけであります。市長は市政執行方針で、子供からお年寄りまでだれもが安心して安全に暮らせる地域社会の実現を目指す必要がある、こういうわけでありますが、市長が目指す安心・安全の基準は何なんでしょうか。二次行革で短期間に推し進めた事務事業評価は、結果的には住民生活に直結する行政サービスの削減を行いました。その7割以上は福祉や教育関係の事業であります。市民から制度の存続を求める署名が何万も寄せられた事業も幾つもありました。なくしたり制限を加えた事業がその目的を達しているのか、改めて伺いたいと思います。 半数を超える老人クラブや1万人を超える存続署名が集まった高齢者バス券交付事業であります。昨年の決算審査特別委員会で、予算の半分も執行されない事業は事業目的に反している、厳しく批判し、来年度予算での改善を約束したわけでありますが、その内容についてお聞きするものであります。 地方自治法の改定に伴い、公共的団体に管理委託していた公の施設124カ所が管理方法の見直しが必要になり、2005年度から児童保育センター、そして僻地保育所の28施設が先行して指定管理者に管理委託され、翌2006年度から83施設について指定管理者に委託され、管理運営がされているところであります。児童保育センターは保育に欠ける児童の健全育成を目的に、すべての小学校区で実施している事業であります。子供たちを対象とした事業でありますから、その管理移行についても、経験があり子供たちになれ親しんだ保育士さんの継続雇用が父母の方々からも強く求められていたわけであります。 柏林台、広陽、明和、若葉の児童保育センターを運営していたこばと託児所が12月、指定を取り消され、2月8日、自己破産の申し立てが提出されました。負債総額は約1億円と報じられております。私は9月議会の決算審査特別委員会でこの問題を取り上げ、給与の遅配問題、おやつ代など必要な運営経費が適切に支払われていないなどの問題を指摘し、子供たちや父母に心配をかけないためにも、指定取り消しを含めた適切な対応をとるように求め、問題は公になりました。しかし、その後も改善されないことから、12月議会の一般質問でも取り上げ、市長に厳しく改善を求めてまいりました。 これらの質疑で明らかになったことは、指定管理者として運営が始まったばっかりの時期から給与の遅配は始まり、経営者との話し合いで解決できなかったことから、帯広市にも繰り返し相談していたということが明らかになりました。子供たちや父母の皆さんに不安や心配をかけ、保育士さんたちには今なお12月分の給与と一時金が支払われておらず、大変な苦労をかけています。設置者である市長は、こうした事態を起こしたことに対して、まずもって率直におわびもし、二度とこのようなことが起こらない手だてをとるべきと考えますが、いかがでしょうか。 みどりのおばさんの廃止に関しても、PTAや地域の皆さんから残してほしいという署名が1万人を超えて寄せられておりました。父母の皆さんや老人クラブなど、地域の方々が交代で立哨指導しておりますが、家庭の事情も考慮されない輪番はつらい、冷やっとさせられたことがあり、責任を持ちかねるなどなど、こうした意見も根強くあることも事実であります。つくり上げてきた地域との連携を大切にしながら、旗やジャンパーなどのグッズをそろえる安全対策事業だけでなく、地域と学校をつなぐその核になる新しいみどりのおばさん事業も必要ではないでしょうか。その考えについてもお伺いしたいと思います。 収納率向上対策から滞納を理由に水道をとめる措置が激増したことに、市民の関心も高まりました。老人クラブなど85団体から減免制度をつくってほしい、基本水量を少なくしてほしい、分割納付も認めてほしい、水をとめないでほしい、こうした陳情、要望書も提出され、その一部が採択もされたところであります。議論の中では、軽減措置については福祉政策の視点など、そうした観点から議論をしていくことが望まれる、停水措置については、事務的、機械的にならないよう十分な配慮が肝要、このようにまとめられましたが、市長の考えについてお伺いするものであります。 市長は市政執行方針で、まちづくりの基本方向として、阪神・淡路大震災などの自然災害は、改めて近隣住民の助け合いの心、コミュニティの大切さを教えてくれたと述べておりますが、近隣住民の助け合いとともに重要なのは、行政が行う防災対策であります。そこをしっかり行わないで、住民の助け合いに矮小化することは許されません。帯広市の防災計画を見ますと、収容避難場所に51カ所を指定し、農村地区の13カ所を除くと体育館2カ所、高校4校、コミセン1カ所、小・中学校31校となっております。言うまでもなく、防災計画は防災会議に参加するすべての機関がその機能のすべてを挙げて市民の生命、財産及び災害から保護することを目的としているわけで、帯広市としても当然のことながら最重要課題の一つとして位置づけているわけであります。 さて、現在の耐震基準を満たしていない小・中学校の整備について、私はこの10年間繰り返しただしてまいりました。小・中学校の施設は1万5,000人の子供たちが安全に毎日を過ごすとともに、その多くが地域の収容避難場所に指定されています。そうした観点からも、一刻も早く全施設が現在の耐震基準に合致していかなければなりません。小・中学校の屋体については、後期総合計画の平成21年度までに耐震補強、改築を終わらせるとしてきましたが、その進捗状況についてお伺いします。 校舎については、今年度までに旧耐震基準以前に建てられた26校について耐震診断を完了したようですが、そのすべての校舎で一部分であっても倒壊の危険が診断されております。これまでの質疑の中で、校舎の耐震補強は基本的には体育館の後に計画を立てて行う、耐震診断で緊急を要するものについてはその限りではない旨の答弁をしてきたわけでありますが、校舎の耐震補強の計画についてお伺いするものであります。 その他の収容避難場所では、総合体育館が旧耐震基準で建てられているわけですが、その補強計画についてもお聞きをしておきたいと思います。 最後になりますが、市民の関心の高い問題についてお聞きをしておきます。ばんえい競馬の問題であります。 現在行われている市営競馬組合の事実上の経営破綻はなぜ起きたのか、改革のおくれなどいろいろ言っておりますが、規約どおりの運営をしてこなかったこと、つまり単年度の赤字をその都度構成4市で清算してこなかったことが赤字を大きくした最大の要因であります。繰上充用などという手法を選択した管理者、副管理者の責任は極めて重いと考えますが、市長の見解と、そして責任のとり方についてお伺いするものであります。 屋内スピードスケート場、この建設費10億9,400万円が計上されました。昨年の市長選挙でも建設を打ち出した砂川市長の得票は反対派の得票に及ばず、有権者の25%の支持しか得てないことになります。一般会計予算を見ますと735億円、市長が就任した平成10年度決算額は866億円、この8年間で130億円も予算規模が縮小しているわけであります。この縮小し、市民サービスを圧縮している中で、60億円ものスケート場を建設する根拠、そして市長の政策判断で上位に位置する根拠についてお伺いもし、1問目といたします。   〔20番稲葉典昭議員・質問席着席〕 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長、登壇願います。   〔砂川敏文市長・登壇〕 ◎砂川敏文市長 稲葉議員の代表質問中、初めに景気に対する認識についてお答えいたします。 2月の政府月例経済報告では、景気は消費に弱さが見られるものの回復しているとして、先行きについても企業部門の好調さが家計部門へ波及し、国内の民間需要に支えられた景気回復が続くと判断されております。一方、日銀の帯広事務所では、十勝の景気は依然として横ばいとの見方を示し、いまだ回復を実感できる状況に至ってないものと認識しているところであります。 景気の回復状況に違いが生じておりますのは、大企業を中心に業績回復が顕著であるにもかかわらず、中小企業や地方、とりわけ北海道、十勝にはなかなか及んでいない実態があるものと考えておりまして、民主導による地方経済の回復とその波及効果を期待しているところであります。 次に、税制改正についてでありますが、住民税に係る税制改正全般の影響額につきましては、税率10%まででは総額約45億5,000万円の増額となり、税率13%の階層では逆に総額で約1億6,000万円の減額となりますが、これらにつきましては平成19年分の所得税で調整が行われることとなっており、市民への影響はないものと考えております。 なお、定率減税の全廃に伴う影響額につきましては、平成18年度対比で約5億1,900万円と推計しているところであります。 税制改正に伴う各種行政サービスへの影響は、所得制限を設けている57のサービスのうち介護保険料や国民健康保険料など21のサービスで、影響額としては約1億8,200万円と試算しているところであります。 次に、中小企業振興基本条例についてでありますが、今議会に提案しております条例は、地域経済の担い手として極めて重要な存在であります中小企業の振興の基本的方向や市長、中小企業者、市民の役割などを基本的な事項として定めようとするものであります。 お話のありました中小企業に関する調査及び情報の収集、提供等に関する施策ほか1点につきましては、この条例案にあります条例の第4条第2項市長の責務というところに、中小企業者等に対する支援等必要な施策を講ずるとなっております。このことを通して反映を図るように、また国その他の関係機関と協力して施策の推進を図るとともに、必要に応じて国などの施策の充実及び改善を要請することということにつきましては、同じく市長の責務の第4条第2項にあります国、北海道その他の公的団体との連携ということの条文の趣旨に基づいて、関係機関との協力はもとより、必要に応じて市としての要望事項などの反映を図るように、それぞれ実施の段階において検討してまいります。 次に、農業についてでありますが、日豪EPA交渉により関税が全廃されますと、小麦、砂糖あるいは牛肉、乳製品などの品目が十勝・帯広の農業とまさに競合することとなりまして、北海道が出した試算によりますと、この十勝管内では直接的な農業生産、関連産業あるいは地域経済への波及、影響額、トータルで4,434億円に上るという試算であります。就業者につきましては18万4,000人おりますが、そのうち2万9,000人の職が失われ、耕地面積は25万ヘクタールほどございますけども、そのうち15万ヘクタールの作付が困難になるということが予測として出されております。農業はもとより、地域経済への影響は甚大なものがあると考えているところであります。 次に、社会保障や福祉分野の経済波及効果についてでありますが、厚生労働省から公共事業と同様の波及効果がある旨の報告がなされていることは承知しておりますけれども、帯広・十勝は農業などの生産活動によって支えられておるという経済構造にありますことから、一つの分野の波及効果に頼ることなく、バランスのとれた産業振興策の展開が重要であると考えているところであります。 なお、御指摘の分野別の積み上げ方式によります市町村単位の経済波及効果の試算につきましては、一部を除き行っておりません。 次に、入札に関して総合評価方式についてのお話がございました。この方式は、価格のみならず施工実績や、あるいは技術力あるいは社会的貢献活動などを総合的に評価して落札者を決定するという方式でございます。評価項目や評価基準の設定など難しい課題もあるわけでありますけれども、品質確保の観点から、その取組みを進めていかなければならないものと考えているところであります。 また、帯広市が政策的に推進する項目や、企業として社会貢献活動に取組む企業などへの支援あるいは優遇について新年度に検討する考えでございまして、そのための基礎資料として入札参加資格申請時に各企業等の取組み状況を調査、収集したところであります。 次に、小規模修繕契約希望者登録制度についてでありますが、御指摘のとおり、制度を開始しましたのが平成15年度から実施に移しておりますが、これは年度後半からでありました。10月から3月までの半年間で108件、496万円の実績、翌年の16年度は、これが平年度化でありますけども209件、1,163万円、平成17年度におきましては403件、約2,182万円となってございまして、件数、金額とも倍増の状況で増加をしております。 なお、平成17年度におきまして、1件30万円以下の発注についてでございますけども、この発注総額は約9,710万円でございました。うち登録者に対しましては約2,182万円、22.5%ということになってございます。また、平成18年4月から8月末まで、これはまだ実績としてここまでしか集計がないということでありますが、平成18年4月から8月末までの中間集計では213件、1,213万円となってございまして、前年同期と比べますと143件、638万円でございましたんで、1,213万円ということで575万円の増ということになってございます。 なお、登録事業者数について見ますと、平成16年度は106事業者でありましたが、平成17年度は116事業者となってございます。 次に、住宅のリフォームについてでございますけれども、これまでも市としてはユニバーサルデザイン住宅の普及促進のために融資や、あるいは補助を実施してきているところでございますけれども、平成19年度に策定を予定しております住宅建築物耐震改修促進計画におきまして、耐震化の支援の検討とともにリフォーム支援の検討もあわせて考えているところでございます。 次に、夕張市の財政破綻についてでございますけども、その背景にはいろんな事情があろうかと思いますけども、国のエネルギー政策の転換に伴います炭鉱の閉山や、その後の観光振興への過剰な投資など、さまざまな事情があったのではないかと推察するわけでありますが、自治体経営に携わる者としては大変ショッキングな出来事と受けとめております。 帯広市におきましては、早くから行財政改革に取組んでおりまして、将来にわたって財政破綻に陥ることはないものと考えておりますが、今後とも健全財政の保持には特に意を用いてまいりたいと考えているところであります。 財政収支見通しにつきましては、第五期総合計画の後期推進計画の着実な推進を図りますとともに、安定的かつ計画的な財政運営を行う目安とするために作成したものでございます。第二次行財政改革につきましては、定員適正化計画の推進、人件費総額の抑制、ごみ収集業務等の民間委託、事務事業評価による事業の見直しなど、全体として計画に即して進展しているものと考えております。 今般提出しました財政収支見通しにつきましては、現行の第二次行財政改革を着実に推進することで、収支不足が補てんできるものと考えております。 なお、新たな行財政改革の計画につきましては、平成19年度中に計画を策定する考えであります。 次に、安全・安心についてでありますが、だれもが安全で安心して暮らせる社会を実現するということは、国民だれもの願いでございますとともに、帯広市のまちづくりの目標の一つでもあります。その領域は安全保障を初め防災や消防、交通安全や防犯、社会保障や福祉など極めて多岐にわたっておりまして、また時代や社会状況に対応して求められる内容も変化してきております。安全というものは、客観的に見て危険や危害を生じるおそれがないということでありましょうし、安心ということは、主観的な心のありようとして不安のないことと考えております。いずれも社会におきます大切な概念でありますことから、それらのバランスを考えていくことが重要であると思っているところであります。 次に、高齢者バス券交付事業についてでありますが、昨年11月の実態調査を踏まえまして、現行の100円券に加えまして50円券、そして10円券、これを交付することで利用者の利便性を図ることとしたところでありまして、広報紙を初め老人クラブ連合会、地域包括支援センターなど関係機関、団体の活用や個別通知などによりまして周知に努めてまいりたいと思います。 また、今後も交付率、使用率を上げる方策を探りますために、バス事業者などとの協議を進めてまいります。 次に、一部の児童保育センターの指定管理者の問題についてでありますが、事業者に対する再三の指導にもかかわりませず、職員への給与や一時金の未払い、取引事業者への物品購入費の未払いの状態があり、自己破産ということになったことにつきましては、非常に遺憾に思ってございます。今後におきましては、指定申請の受け付け時はもとより、毎年度の報告に際し協定業務の運営状況を的確に把握することはもちろん、事業者本体の経営状況や納付状況を把握するほか、必要に応じて抜き打ち調査を含めた点検を行うなどして、安定的な適切な運営に向けて適切な対応を市としても行ってまいりたいと思います。 次に、水道料金や下水道使用料の軽減措置についてでありますが、長引く景気の低迷によります個人所得の減少状況などを踏まえて、福祉政策の視点などから議論する必要があるものと考えております。また、一定期間を経過した滞納者に対しましては、停水の予告などを行い、また納付相談の機会を持ちながら対応を行ってきたところでございます。今後におきましても、生活が苦しくて支払いが困難な利用者に対しましては、生活実態等を十分にお聞きするとともに、しっかりと相談をさせていただき、より慎重に判断をしてまいりたいと考えているところであります。 次に、市営競馬組合についてでありますが、これまで経費の削減や売上増に向けた種々の取組みを行いながら、法的に認められた財政運用として繰上充用という形により措置をしたものでございまして、その時点では他の方法は考えられないものと判断をいたしたところであります。 次に、屋内スピードスケート場についてでありますが、現在のリンクは老朽化やフロン対策の問題から早期の改修が必要でありまして、さらにスピードスケートのみならず年間を通した生涯スポーツの振興、青少年の健全育成、地域文化の発信、さらには地域の活性化の期待もできることから、事業に取組んできているものでございます。 私からは以上であります。 ○鈴木孝昌議長 安達伸教育長。 ◎安達伸教育長 御質問中、児童・生徒の安全・安心の取組みについてお答えいたします。 児童・生徒の安全・安心の取組みは、交通安全や不審者対策など総合的な視点で進めようとしており、学校、PTAを中心に保護者、町内会など地域住民の参加と協力を得る中で具体的な取組みが始められております。児童・生徒の安全確保は、このように地域全体で見守っていくことが大切なことであります。地域のより多くの皆さんの目が注がれるよう、今後とも地域活動を支援してまいりたいと考えております。 また、平成19年度より新たに緊急情報一斉配信システムを稼働する予定であり、児童・生徒の安全確保に向けた整備体制やシステム整備に一層努めてまいりたいと考えております。 次に、屋内体育館耐震化の進捗状況でありますが、18校を対象に耐震補強に着手しております。対象校の実施設計に基づき、平成18年度は耐震補強工事を5校実施し、新年度は耐震補強工事を3校、改築工事1校の整備を予定しております。 次に、校舎の耐震補強についてでありますが、屋内体育館の耐震事業と並行し、校舎につきましても耐震性能から見た優先度や緊急性、老朽化の状況、小・中学校適正配置計画などを総合的に勘案し、耐震化を図るべく検討を加えているところでございます。 なお、2次診断は実施設計において行われることから、個々の施設の設計状況を見ながら、当面は予算編成の中で判断し、取組んでまいりたいと考えております。 また、新年度は対象小学校の耐震補強に向けた実施設計に着手する予定であります。 次に、総合体育館につきましては、本年度は昨年度実施していない構造的な経年変化や積雪荷重を80センチとした耐震調査を実施したところ、耐震性能はCランクで、実際上はBランク相当との総合評価を得たところです。この診断結果を踏まえ、新年度においては壁、天井、床の亀裂補修を行うとともに、天井部分のつり物補強や、現在使用していない暖房パネルの撤去などの改修工事を行うものであります。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 20番稲葉典昭議員。 ◆20番(稲葉典昭議員) 景気に対する認識についてでありますが、大企業を中心に業績回復が顕著であると、中小企業や十勝においてはその波及がないと、こういう答弁であったかと思います。 法人企業統計がありますが、それによりますと、資本金10億円以上の大きな企業ですが、この役員の1人当たりの報酬、1995年が1,443万円、これが2005年度には2,810万円になっております。資本金1億円以上の役員報酬は、同じ時期1,161万円から1,664万円にふえているわけです。これに対して資本金1,000万円未満の企業の労働者、その賃金は1995年262万円だったものが、2005年には218万円に低下、資本金5,000万円までの企業の労働者も312万円から271万円に減少していると。大企業が景気回復を謳歌するもとで、所得の格差は一層拡大しているというのがこの企業統計の結果です。 さらに、この法人企業統計から大企業の1人当たりの付加価値率の推移、これを見てみますと、2001年には1,178万円、これが2005年になりますと1,418万円に上昇しております。労働装備率、こういう統計もあるんですが、これによりますと2,040万円から1,968万円に下がっていると、こういうことが出ております。このことからわかるのは、設備投資による生産性の上昇ではなくて、労働者を長時間、そして低賃金で働かせたことによる利潤の増加だということが、この法人統計の中にくっきりとあらわれてきているわけです。ここに日本型景気格差の原因があらわれているというふうに思います。 つまり、大企業を中心としたアメリカあるいは中国への輸出の拡大、さらにリストラ、下請、中小企業にしわ寄せをしながら、そうしてつくった景気回復だから、経済の6割を占める個人消費に結びつかない、自立的景気回復につながらない、こういうことが言えるんだと思っております。 先ほど答弁がなかったんですが、この景気格差、格差景気の原因について、さらにはその打開のために帯広市にできることはないのか、市長の考えを改めて伺っておきたいと、このように思います。 また、民主導による地域経済の回復、こういう答弁もあったわけですが、これは具体的にはどういう状況を言うのか、そして市長はそれをどう後押ししようとしているのか、このこともお伺いしておきたいというふうに思います。 格差是正の社会的仕組みである税制度、そして社会保障制度がその機能を失っているということは、ことしの庶民増税の実態を見ても明らかです。帯広市における納税義務者を調べてみますと、課税標準が200万円以下、これは72%いるわけです。そして、700万円以上、これは2.5%しかおりません。算出税額が200万円以下の層では全体で14億円ですから、1人当たりの課税標準は90万円、こういうふうになります。700万円以上の層、ここの算出税額は22億円ですから、1人当たりの課税標準は1,200万円、こういうふうになります。そして、住民税の税率のフラット化、これが来年度行われるわけなんですが、5%、10%、13%、これが全部10%になるわけです。所得税で調整されるので、実質的な影響はないという御答弁だったわけなんですが、少なくても6月には先行的に住民税のこのフラット化が行われますから、8%と5%と10%のこの層で46億円の負担増がここで押しつけられてくるわけなんです。逆に、高額所得者のところでは、1億6,000万円の税が安くなると、こういう状況がここであらわれてくるわけなんです。 課税所得が200万円以下の世帯については、税額の総額でいきますと213%の増税になるんですよ。700万円以上だと、税額の総額でいくと76%ですから、24%の減税、こういうふうになるわけなんです。しかも、定率減税が全廃になりますから、この200万円以下の一番所得の少ない層はおおよそ3倍の重税になると、こういうことになるわけなんです。さらに、さまざまな行政サービスに負担増となって波及するということですから、答弁の中では21のサービスで1億8,200万円、こういう負担増が市民に押しつけられると。所得が上がってないのに、制度が変わることによってさまざまな行政サービスの負担が変わってくると。この負担増を解消する手だて、これはどういうふうにやられているのかということについてお聞きをしておきたいというふうに思います。 中小企業振興基本条例についてであります。 大枠とすれば歓迎しているということは、冒頭に申し上げたとおりであります。第3条は、中小企業の振興を図る基本的方向に基づく振興施策の大綱が示されていると、こういうふうに考えているわけであります。帯広市における従業者の就業先の規模を見てみますと、従業員10人未満が38%、20人未満だと53%にも及び、振興施策の大綱に中小企業従業者の福祉の向上を入れる、この意義は大きいというふうに考えております。また、基本法に基づく施策の立案を進める上で、繰り返し行われる事業者実態調査のそうした蓄積、これが中小業者に必要な施策の展開の上でも欠かせないということは、先行事例を見ても明らかだと思っております。 第4条の市長の責務の追加についても明示が必要であろうと、そういうふうに考えるわけです。条例が制定され、そしてその運用についての規則や要綱に明記する、そうした方法であっても、所信を明らかにしておいた方がいいのではないかと、このように考えているわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。 また、基本計画に基づいた施策の立案に向けて協議会が設置されるというふうになるわけですが、小零細事業者の意見も反映され、そして市民の理解と協力が得られる人選が必要だと思いますが、その考え方についてもお聞きをしておきたいというふうに考えております。 日豪FTA、EPA交渉についてでございます。 十勝での影響は4,434億円、就業者では15.8%、約3万人の職が失われると。耕地面積は64%が作付困難と、こういう御答弁でありましたが、地域経済は本当に壊滅状態になると言っても過言ではないだろうと思います。北海道の経済を壊すこの交渉をだれが進めようとしているのか、首相の諮問機関である経済財政諮問会議が昨年5月にこのEPAの行程表を決めたわけです。御手洗経団連会長など民間議員はそれをさらに推し進めて、11月にはグローバル改革と称してEPAの促進圧力を異常に強めてきています。この中で年内に日豪EPA交渉をスタートさせる、そして究極にはアメリカや中国とのこのEPAの検討もここでは迫っているわけでございます。そして、改革がおくれている分野、これを名指しして、一つは農業、そして一つは人の移動、こういうふうに指摘をしております。農業では関税ゼロの国境措置撤廃、このことが求められ、これを前提にした農業再改革プランをつくるよう求めてきているわけでございます。 品目横断的経営安定対策、これも競争力のある農業を実現するということをうたっているわけであります。しかし、日本の農業はそれほど競争力がないのでしょうか。スイスの大手銀行、UBSというところがあるんですが、このUBSが各国の購買力平価で物価調査を行っております。それを見ますと、日本産の米1キロ、これを買うのに東京の労働者は17分働けば済むそうです。同じく、米の輸出世界一のタイ、このタイでタイ産の米を買うのにバンコクの労働者は23分間働かなければならない、インドでは同じように1時間29分、中国の上海では26分、こういう調査結果が出ております。 もう一つおもしろいのは、ハンバーガー1個買うのにどれぐらいの労働時間が必要かということも比較されております。日本では10分、タイでは46分、インドでは104分、上海27分、いかにこのグローバル食品が高いか、こういう比較をするとわかると思います。同時に、この競争力がないと、こういうのも為替レートのマジックだということも、購買力平価と比較するとよくわかるのではないかというふうに思います。 オーストラリアの農業でありますが、平均経営面積は1戸当たり3,385ヘクタール、日本の1,900倍に上るというふうに言われております。十勝の耕地面積と比較してみました。帯広は6.8戸、音更で7.2戸、十勝全体でも76戸、これだけしかない、オーストラリアだとすればですよ、こういう経営面積だということです。経済財政諮問会議では、最低10ヘクタール以上の農家に集約していくと、こう言ってるわけですが、それでもオーストラリアの1000分の3、到底太刀打ちできるレベルではないわけであります。 では、何が目的なのかということでありますが、オーストラリアが日本から輸入する品目の9割を占める工業製品の関税、この10%を撤廃させ、さらに投資の拡大をねらう、こういうことが指摘されているわけであります。この日豪のEPA交渉の前提となった日豪経済関係強化のための共同研究最終報告書、この中では、オーストラリアに対しては食料やエネルギー資源の対日輸出拡大のチャンスを与える、そして日本の企業に対しては対豪、オーストラリアですね、投資拡大のチャンスを与えると明確に述べております。そして、この研究会には7人の民間人が入っておりますが、この名簿を見てみますと、全国農協中央会の専務もメンバーに入っておりまして、非常に驚いたところでございます。 基幹産業の十勝農業が壊滅的打撃を受けるこの交渉は絶対に進めてはいけない、このように思っておりますが、砂川市長はどういう態度をどのような形であらわしていくのか、このことについてもお聞きしておきたいというふうに思います。 帯広市の財政規模が縮小し、経常収支比率が上昇しているときだからこそ、さまざまな分野からの事業の選別が必要になるだろうと思っております。その有効な手段の一つとして経済波及効果の試算があり、各地でやられるようになってもきております。帯広市においては一部を除き試算をしてないということでありますが、試算した事業とその結果についてお聞きをしておきたいというふうに思います。 事業の選択ができ、予算執行となれば、入札の透明性、適切な仕事の確保ができる発注方式が必要になります。答弁では総合評価方式について、評価項目や評価基準について、難しい問題もあるが品質確保の観点から取組みを進めていかなければならない、新年度において検討していくという踏み込んだ答弁もありました。評価項目や評価基準の設定をして、そして具体的に取組むというふうに理解をしていいのか、お聞きをしたいというふうに思います。 帯広市における産業構造の変化、公共事業の激減による建設業界の苦境に対してどういう支援ができるのか。経済活動別の市内総生産、これを見てみますと、市内総生産では建設業は5位、そして雇用者所得では建設業が3位となっております。つまり、すそ野が広い産業であり、業界の盛衰が市民の暮らしに直結することになります。しかも、中小事業者が多いわけですから、地域経済の混乱を避けるためにも行政ができる支援をしていかなければならないと考えます。そういう点で小規模修繕の登録制度は、発注者にとっても仕事が見え、受注者にとっても直接仕事が来るというメリットが確認されております。 利用実績についてお伺いしましたが、これは昨年9月に聞いた数値と全く同じで、利用状況の変化がわかりませんでした。発注割合は22%ということでありますが、これ帯広と同じ時期にこの制度を立ち上げた北見、この北見市では40%の発注を確保しているわけでありますから、どう利用を高め、そして制度の目的を達成するかが問われていると思います。北見市にも時々利用状況について問い合わせをしているわけですが、集約方法が違うのか、すぐに北見ではその結果が出てきております。利用実績を制度の目的に沿うよう高めていくためには、進捗状況が年度途中でもわかる仕組みと目標を持った取組みも必要ではないかと考えるわけですが、いかがでしょうか。 景気対策として、リフォームの助成制度を提起してきたわけでありますが、耐震化の支援制度とあわせてとのことでした。住宅建築物耐震改修促進計画を策定予定していると。私たちも東海地方あるいは首都圏の住宅耐震補助制度をかなり研究、見させてもらってきております。しかし、その利用状況はどの地域を見ても低調だと、こういう実態を見たときに、帯広市が計画しているこの制度をどういうふうに利用を促進していくか、これが課題だろうというふうに思っております。そうした点から、各地の経験からも利用実態の高い住宅リフォーム助成をかみ合わせることによって、耐震化も進んでいくというように考え、相乗化が図れればというふうに思っております。 来年度策定される促進化計画、この中でリフォームの支援も位置づけられるということなのかどうか、このことももう一度お伺いしておきたいというふうに思います。 安心して住み続けられるまちづくりであります。 夕張市の財政破綻について、炭鉱の閉山や観光施策の失敗などさまざまな事情があったものと思うと、こういう答弁でございました。 夕張市の債務は632億円、財政破綻の主な原因は何だったのか。1つには、膨大な閉山後の処理対策費、社会資本整備費などで583億円、そのうち国、道から185億円の支援だったそうでございます。夕張には三菱資本と北炭資本、この2つの炭鉱がありましたが、国のエネルギー政策の変更で廃鉱になったわけでございますが、三菱大夕張については閉山の際、夕張市に10億円を寄附して現地を去ったそうでございます。北炭夕張については社員住宅、土地、水道など41億円で夕張市に引き取らせるなど、社会資本整備に総額583億円を投入せねばならなかった、そのうち地方債は332億円だったそうであります。毎年20億円の償還、この20億円の償還というのは、市税収入が10億円足らずの夕張にとってはかなり重い負担だったと思われます。観光開発整備は石炭博物館など71億円で、全体の当初では7%にすぎなかったと、こういう数値が示されております。 2つ目には、リゾート開発の破綻とその後処理の問題でございます。国のリゾート法、横路道政のリゾート連担都市構想、こうしたさまざまなリゾートに関する法律のもとでホテルだとかスキー場が夕張に誘致され、建設されておりました。松下興産など進めてきたわけでありますが、この撤退の際、雇用危機回避という名目でホテルは20億円、スキー場は26億円で買い取らざるを得なかった、そしてこれらは当然、当時道の起債許可も受けてやっているわけでございます。 3つ目には、三位一体の改革と交付税の削減という問題でございます。2001年度に産炭法が失効し、産炭地交付金が廃止されました。この産炭地交付金は、夕張では毎年2億円から4億円の幅で14年間交付されていたそうでございます。普通交付税の産炭地補正、これも1億3,000万円程度あったものが1,200万円にまで激減、地方交付税でありますが、91年と比較しますと38億円の減少、2001年以降の5年間で見ても、累計で30億円の減少、再建計画における普通会計分の赤字が41億円ですから、その8割がこの交付税の削減でつくられていたと、こう言っても過言ではないわけでございます。国の産業政策の変更と企業の社会的責任の放棄が生み出した結果、そこを見ないなら再建も市民の負担の増加とサービスの削減に帰結するだけ、こういうふうに思います。 夕張問題を自治体の財政規律問題に矮小してはならないと思います。帯広市も全会計で1,700億円余の借金を抱えており、普通会計では公債費100億円が財政の硬直化の一因にもなっているわけであります。二次行革を進めるに当たって、財源不足をその最大の理由にしてきたわけでありますが、身の丈を超えた公共事業の推進を景気対策と片づけていいのか、プラザ合意以降のアメリカとの構造協議の中で決められ、進められてきたという国の重要政策であり、そしてそこに追随してきた地方自治体の責任もはっきりさせていかなければ、人任せの自治体運営になるのではないでしょうか。 そこで、この夕張問題から何を学び、そして帯広市政にどう生かしていくのか、このことについて市長の見解を伺いたいと思います。 帯広市の財政健全化を目指して進められている行財政改革については、二次行革予算も含め4年間で42項目について104億円の効果額、こうした計画に対して、その実績は94億円の実績、達成状況では90%を超える、こういう状況になるようでございます。後期の五期総を着実に推進するために収支見通しを作成したと、こういうことでありますが、内容は別にして、それはそれとして理解はするものでございます。計画どおりに推進している二次行革と、そして昨年市長が掲げた新行財政改革推進計画、これは一体何を指すのか、改めてお聞きをするものでございます。 安心・安全、この都市について、子供からお年寄りまでだれもが安心して安全に暮らせる地域社会と言っており、安全とは客観的に見て危険や危害の生じるおそれのないこと、そして安心は主観的に不安のないこと、こういう答弁がありました。事務事業評価に基づく行政サービスの削減が子供やお年寄りにかかわるサービスに集中していることが、安心・安全都市の実現という理念に反していると言っているわけであります。 高齢者バス券の交付事業ですが、予算の半分も消化されないというのは、制度の根本的欠陥があると、こう考えるべきであります。その改善のため、少額券を発行するということですが、それで解決するのでしょうか。バス券が残る理由、バス券を使い切れない理由として、100円単位のバス券が使いづらいと、こういうアンケートの回答はたった0.6%、ですから要望の中でも少額券、小さい額の券の追加を求めているのは2.3%にしかすぎないわけであります。それなのにこの改善策が少額券の発行では納得がいきません。事業が半分以下の執行しかできないということは、より効果的、効率的な内容になったという中間総括と乖離しているのではないでしょうか。 まず、福祉に所得制限はなじまない、福祉に所得制限を導入すべきではない、これは前提条件として申し上げておきたいと思います。そして、所得制限をするのであれば、本人の所得のみを制限の対象にすべきであります。 さらに、かつてより要望の高い、バスに乗れない高齢者のためにタクシーへの転用も認めるべきだと思います。1枚100円ということになっているわけですから、転用は十分可能です。これはすぐにでもできる改善策だと思います。 さらに、使用率を上げる方策を探るためとして、バス事業者などと協議を進めていくとのことでありました。この制度はバス事業の振興策ではなく、高齢者福祉事業であることを考えるなら、高齢者の関係団体との協議がなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 本年度までに111の公の施設が指定管理者に運営が委託されました。こばと託児所に委託が実施されてわずか1年で運営経費が支払われず、指摘をしても改善されないまま倒産、従業員から相談があったとき、あるいは議会で指摘されたとき真剣に受けとめ対処していたならば、保育士さんの給与の未払いも、子供たちのおやつや教材を買った店舗への未払いも防げたのではないでしょうか。再三の指導にもかかわらずと言っておりましたが、一度指導して改善されなければ、公の施設を運営する資格が喪失することであり、それを放置した市長の責任は極めて重たいと考えるものでございます。 市長は、再三指摘したのに自己破産したことは遺憾と述べましたが、設置者の責任を全く感じていない発言であります。遺憾なのは、子供たちの保育をし、そして給料がもらわれていない人がいるということ、子供たちに物品を提供し、お金をもらっていない事業者がいるということ、子供たちや保護者に不安を与えたこと、こうした事態に対して遺憾であるかもしれませんが、今なお被害に遭っている方々については、設置者としての責任を十分に果たせず申しわけなかったと、こういう謝罪をすべきではないか、改めて問うものでございます。 今後の改善策ですが、私は設置条例の議論の中で、管理運営のチェックシステムも必要、こういう指摘もしてきました。市長に勧告することができる権限を持つ利用者運営委員会の設置も求めてきました。内容はおおむね良好、こうした評価をした評価委員会のあり方についても改善をすべきだと思うが、いかがでしょうか。 水道の給水停止問題です。 ことしに入りまた石川県でしたか、55歳の男性が水道もとめられ餓死をしている、こうした報道がありました。この石川県の市の水道課は支払い督促を繰り返し郵送、返事がないため担当者が訪問すると不在ということで水をとめたと、こう報じられておりました。滞納からちょうど半年後だったそうです。その後の調査の中で、不在だったのではなく、仕事も見つけることができず、支払いすることができない状況から、引きこもり状態になっていたことが明らかになりました。働くこともできず、水もとめられ、どれだけ切なかったでしょうか。こうした悲惨な事故を帯広で絶対起こさないためにも、福祉政策としての対応が急がれます。これは市長の政治判断でできることなのです。 北海道でも旭川市を初めとして行っている制度であり、一刻も早く実施をし、安心して生活できるようにすべきだと思います。人間にとって一番大切なものは生命、行政が住民福祉の基幹であり、逆行は許されるものではないということを改めて胸に刻んでいただきたい、このように思います。 停水措置については、生活が苦しく支払いが困難な市民に対してはしっかり相談させていただき、より慎重に判断していきたいとのことであり、そのようにお願いするものであります。 児童・生徒の安全・安心については、地域ぐるみで見守る活動が始まったこと、これは新しい到達点だと思います。ただ、さまざまな条件の中で生活している父母や家族への配慮も求められております。地域の見守りの目をふやしていきながら、同時に帯広市ができることは続けてほしい、こうした声にも率直にこたえていただきたい、そうした声にどうこたえていくのか、お聞きをしたいと思います。 収容避難場所である学校施設の耐震補強の問題ですが、昭和46年以前、つまり旧耐震基準以前に建てられた施設については改築、47年から56年の間に、つまり旧耐震基準で建てられた施設については必要な耐震補強をすると繰り返し答弁をしてきたわけであります。体育館の耐震化は平成21年、五期総の期間に終わらすとのことでしたが、耐震補強についてはすべて張りつけているようですが、改築の計画はおくれているようであります。改築計画6校のうち具体的になったのは豊成と稲田、啓西、若葉、栄、一中のうち1校しか五期総でのみ込めない、当初計画よりおくれた原因は何なのか、伺いたいと思います。 校舎については、Dランクが8校、このDランクは地震の振動及び衝撃に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高いとなっており、その補強に急を要する、予算編成の中で計画的に取組んでいくということでしたが、直ちに耐震化の計画が必要だと思いますが、いかがでしょうか。 ばんえい競馬の問題です。 赤字の累積について繰上充用という手法が問題を深刻化させたのではないかと聞いているわけでありますが、そのときは他の方法は考えられないと判断したという答弁でした。しかし、結果として40億円もの赤字が累積したわけであります。責任者の仕事とは判断をすることと責任をとること、このように思います。赤字が発生し、繰上充用で急場をしのぐと判断をした、それを8年間も続け、これだけの累積赤字にしたことが大問題なわけです。繰上充用した判断がどうだったのか、そしてその判断に対する責任をどうとろうとしているのか、改めて伺います。 屋内スピードスケート場であります。 私は、屋内スピードスケート場の建設理由を聞いているのではありません。地方交付税の大幅な削減、税収の落ち込みに伴う財源確保、財源不足への対応、右肩下がりの時代に向け、財政基盤を確保するために二次行革を行ってきたわけです。その結果、ごみの有料化や使用料の値上げ改定など新たな負担をお願いした、また事業の廃止など市民サービスを削減する見直しもした、こう言ってきているわけでございました。そうした市民への負担を求めておきながら、将来にわたる負担を市民に求めるわけですから、その根拠、つまり老人福祉や児童福祉、障害者福祉より屋内スピードスケート場の建設が優位なんだという理由は何なのか、市民の安全場所の確保より屋内スピードスケート場の建設を優先する理由は何なのか、このことを聞いているものでございます。 改めてお聞きをし、2問目といたします。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 景気についてでありますが、地域経済につきましては、地域の公的機関において継続して動向調査が行われております。さまざまな指標をもとに総合的に判断されるものと理解しておりますけれども、国の構造改革や地方分権の流れの中で、地域みずからが民間の知恵や力を生かしながら、積極的に地域産業の活性化に取組む必要があるものと考えております。 帯広市といたしましても、畜産大学などの試験研究機関が立地する環境を生かしまして、産・学連携による産業への支援などを行ってまいりたいと考えているところであります。 いずれにいたしましても、まちづくりの指針でございます第五期の総合計画に基づきまして、施策を着実に推進していくことが重要であると考えているところであります。 次に、平成19年度予算案におきます一連の税制改正に伴う行政サービスへの影響とその対応でありますけども、平成18年度予算におきまして一定の考え方をお示ししたところであります。高齢者バス券交付事業の対象者を所得税非課税世帯まで拡充するほか、介護保険料や国民保険料所得割などにつきましても、国が講じている激変緩和措置をそのまま適用することとしております。また、国民健康保険料の軽減、減免措置につきましては、国の激変緩和措置に加えまして、帯広市独自の軽減措置を講ずることとしているところであります。 次に、中小企業振興基本条例についてでありますが、この条例は地域の中小企業関係の団体との協議を経て成案化をした、こういう経緯を踏まえまして、条例第3条に定める基本的方向に沿いまして、今後設置を予定しております、これは仮称でありますけども、帯広市中小企業振興協議会、この場で必要とされる具体的な支援施策を検討してまいりたいと考えております。また、国、北海道その他の公的団体とは緊密な連携を図りながら、幅広く中小企業の支援体制づくりを進めてまいる考えであります。 お話の小規模零細事業者の意見の反映ということにつきましては、商工観光部内で創業あるいは起業等を支援する連携体制の構築を検討しておりまして、情報の共有や経営の実態把握など、きめ細やかな中小企業の支援に取組んでまいりたいと考えております。 日豪EPA交渉に関しましては、十勝圏活性化推進期成会の会長として、重要品目の関税撤廃除外を国などに強く要請しますとともに、日豪EPA交渉、食料と地域の将来を考える十勝大会、これへの参加や署名活動に取組んできているところであります。今後とも機会あるごとに帯広・十勝の農業を守るために、重要品目について関税撤廃の対象から除外することなどを国に強く求めていく考えであります。 経済波及効果の試算のお話がございましたが、試算した事業といたしましては屋内スピードスケート場とばんえい競馬でありまして、他の事例等を参考にしながら行ったところであります。 次に、入札制度についてでありますけども、国におきまして市町村向けの総合評価実施マニュアルを作成する旨の報道があったわけでありますけれども、帯広市におきましては新年度に総合評価方式の導入に向けた各種の取組みを進めていく考えであります。 また、小規模修繕工事の発注状況につきましては、一定期間ごとに把握できるように工夫をしてみたいと考えているところであります。小規模修繕工事の量的な目標の設定につきましては、年度ごとのばらつきとか、あるいは発注時期あるいは工事の難易度などもありまして、難しいものと考えるわけでありますが、実績が伸びるように今後とも庁内への周知、説明等の取組みを進めてまいります。 住宅リフォームの助成制度の創設という点でありますけども、これについては難しいと考えておるところでありますけども、耐震改修促進計画の議論と並行しまして、リフォームに対する何らかの支援のあり方について検討をしていきたいと考えております。 夕張市の財政破綻につきましてですけども、不適正な財政操作によって長年にわたり赤字を隠ぺいしてきたことが挙げられると言われてございます。基幹産業の衰退に伴う打撃は予想を超えたものでありまして、そこからまちを再生していくためには、市民の一致した協力が不可欠であるんではないかなと思います。 帯広市におきましては、行政と市民の信頼関係が深まりますように、財政問題に限らず行政情報について積極的に市民に提供し、共有するとともに、社会情勢や時代の変化を踏まえ、事務事業について不断の見直しをしていく考えであります。特に、地方分権改革推進法や道州制特区推進法の制定など、第2期の分権改革の取組みが進められておりますことから、これまで以上に自主自立を基本に、限られた財源や人的資源のもと、行政と市民あるいは民間の企業などがそれぞれ役割をしっかりと担い、地域を支えていく必要があります。新たな行財政改革につきましては、公共の領域が拡大する中、市民との協働によりまして効果的かつ効率的な自治体運営のため、計画策定に取組んでまいりたいと考えております。 高齢者バス券の交付事業につきましては、平成19年度より対象者を市民税非課税世帯から所得税非課税世帯へと拡充を図ったところでございます。所得制限につきましては、実は介護保険制度を初め高齢者福祉サービスの軽減措置や支給対象者を決定する場合に世帯というものを基準としておりますことから、この事業につきましても同様の考え方で対象者を決定しているところであります。 また、タクシーとの併用の件につきましては、バス利用が困難な障害のある高齢者につきましては、タクシーの助成制度や、あるいは重度寝たきり高齢者の移送サービス制度、また介護保険によります介護タクシーの制度などがありますことから、高齢者の社会参加の促進という意味でバス利用を基本と考えているところでございます。また、関係事業者はもとより、必要に応じて高齢者団体とも協議をしてまいりたいと考えております。 問題のありました指定管理者に関する件につきましては、再三の指導にもかかわりませずこのような事態となりまして、職員あるいは関係事業者の皆様には多くの心配や不安を招いたことにつきましては、非常に残念に思っております。また、保護者の皆様には運営に関し御心配をおかけしたことを申しわけなく思っているところであります。 すべての児童保育センターに設置されております保護者会との意見交換会やアンケートなどによりまして、保育の状況の適切な確認に努めて、評価委員会において実態を踏まえた検討が行われるよう、意を用いてまいりたいと考えております。 ばんえい競馬につきましては、その時点では最善の判断をしたと考えておりますが、売り上げが予想を大きく下回る状況がございまして、結果として多額の債務を発生させ、競馬組合の経営破綻を招いた副管理者としての責任は重く受けとめております。 屋内スピードスケート場の整備につきましては、現リンクの老朽化やフロンの問題から、早期の改修が必要となりまして、国の補助事業や北海道の支援などを活用して進めてきたところでございます。帯広市にとってこの施設は将来の発展に必要な施設だと考えております。国の補助採択など実現可能と判断をいたしましたことから、工事費等に係る予算を提案させていただいているところであります。 なお、福祉にかかわる予算につきましても十分配慮し、19年度予算では予算化をしているところでございます。 ○鈴木孝昌議長 安達伸教育長。 ◎安達伸教育長 御質問中、児童・生徒の安全・安心の取組みについてお答えいたします。 学校、PTAを中心に保護者、地域、行政などが連携し、児童・生徒の安全・安心に向けた取組みを進めることは重要であり、今後はこうした取組みを地域に根づいた活動として継続し、拡充していくことが課題であると認識しているところであります。 児童・生徒を見守るこうした地域活動が広く地域に理解され、関心を持って多くの皆さんが参加されるよう、また継続、発展していくよう引き続き支援してまいりたいというふうに考えております。 次に、屋内体育館の改築がおくれている理由についてであります。 昨年度、耐震補強工事を想定し、18校を対象に実施設計を行ったところであります。しかし、このうちの5校につきましてはいずれも建築年次が古く、改築の時期の到来が近いことから、耐震補強工事と改築の事業費や耐用年数などの比較検討を行った結果、改築が妥当と判断したものであります。このため、改築総数が当初計画を上回り、時間を要する現状となっているところであります。 次に、耐震性能が低い校舎の耐震化でありますが、耐震性能から見た優先度、緊急性を念頭に置きながら、老朽化や小・中学校適正配置計画なども勘案し、総合的な視点に立って計画的、効率的に耐震化を進めてまいりたいと考えているところであります。 以上であります。 ○鈴木孝昌議長 20番稲葉典昭議員。 ◆20番(稲葉典昭議員) るる答弁をいただきました。私は多くの場合、市長に景気に対する認識からお聞きをしているわけですが、それは地域社会の土台を構成しているのが経済だからと。国の経済はどうなっているのか、そしてそのもとで地域の経済はどうなっているのか、そこから雇用だとか消費、さまざまな生活様式や市民の福祉の向上のために進めなければならない施策のその優劣が判断される、こういうふうに考えているからでございます。ですから、景気の認識についても国と同じようにイザナギ景気を超える戦後最長の景気回復期にあると、こういう認識を市長が示すならば、帯広市が来年度やらなければならない仕事も変わってくるわけでございます。ですから、この土台に対する認識の一致を図るため、まず議論をさせていただいているということでございます。 大企業中心の景気回復でありますが、まだ地方には波及してないと。これは時間がたてば波及するんだろうかと、それを判断するために日本型景気格差、この実態、そしてその原因についてお聞きをしているわけであります。 帯広市が発行している市民経済年報、これを見ますと、この1月に出た最新刊でありますが、平成15年度の指標で分析してあります。市内総生産額は約6,100億円、これは平成12年と比べますと400億円のマイナス、そして雇用者所得ですが、3,560億円で同じく平成12年と比べますと300億円の減少となっているわけであります。景気回復が始まったとされる同じ時期に帯広の経済は縮小していることがわかります。 さらに、問題なのは、生産における企業の貢献分をはかる営業余剰と、こういう項目があるんですが、この項目を見ますと、各年度とも建設業だけが突出してマイナス、こういうふうになっているわけでございます。建設業が産業全体の足を引っ張っていると、こういう状況が続いているわけでございます。 雇用の問題も深刻です。有効求人倍率、全国も北海道も帯広も平成14年度から上向きに転じてきました。しかし、帯広だけが平成16年度から悪化しているんです。全国は平成14年度以降現在まで0.42ポイント、そして北海道は0.11ポイント上昇しています。しかし、帯広はこの上昇幅が0.05ポイント、たったこれだけしかふえていない、ほとんど好転していないということがこの数字を見てもわかります。 1月の有効求職者数は1万1,865人、失業保険の受給者数1,775人、ですから失業の長期化、失業保険が切れても雇用先が決まらない、こうしたケースが多いと思われます。こうしたことから、地域経済の活性化では建設業に対する下支え、そして雇用対策をきめ細かにする必要があると、こう考え先ほど来の議論となっているわけでございます。 民主導の地方経済の回復に期待すると、こういう答弁があり、それはどのようなことで帯広市はどう後押ししようとしているのかと、こう聞いたわけでございます。答弁では、帯広市としては五期総に基づく施策を着実に展開をし、民間の知恵や力を生かしながら地域産業の活性化に取組む、こうした答弁でございました。現在の地域経済が抱える問題点を行政がみずからもかかわりながらも、そして改善に向けていこうという、そういう気持ちが伝わらない、そういう答弁ではなかったかと思います。 これまでも言ってきたことでございますが、帯広市は十勝における最大の発注者であり、そして最大の雇用者でございます。帯広市の事業展開は地域経済に少なくない影響を与えます。だからこそ五期総を進めながらも、構造改革以前につくられた五期総に反映できてない部分の修正を加えながらの執行が必要ではないかと、このように言っているわけでございます。 市民意向調査で示されている市民の事業に対する重要度と満足度、優先順位が上がってくるのは、重要度が高く、そして満足度が低い事業ではないかと、そこに経済波及効果での地域経済への貢献度を選別の要素に加えていくことが必要ではないかと思っております。屋内スピードスケート場、ばんえい競馬で経済波及効果の試算を試みた、こういう答弁がありました。それをどう活用したのかということでございます。 屋内スピードスケート場の経済波及効果は12億7,000万円とのことでありました。比較がないんです。現在のスケート場の経済波及効果が幾らある、そしてこれだけ効果額がふえるということにならないと、その優位性がわかりません。さらに、60億円を他の事業に活用するとどうなるのか、こうした比較が重要なんです。なぜならば、この建設反対を唱えている方の多くは、屋内リンクそのものを否定するというよりは、市民生活に直接必要なサービスを削っておきながらスケートリンクなのか、こういった意見が多いんです。私も以前に北海道が示した指標を使って簡単な比較をしてみました。経済波及効果比較、生産効果比較、GDP効果比較、雇用効果比較、3つの分野の比較を行いますが、生産効果比較では医療、保健分野がリンクをつくる111%の効果があるということ、GDP効果では社会保障分野が130%の効果があるということ、雇用効果ではやはり社会保障分野が183%の効果があるということ、したがって屋内スピードスケート場建設の経済波及効果からの優位性はないということであります。 ばんえい競馬の経済効果、単独開催で約68億円、そして馬の生産では35億円とのことでございました。帯広市が単独で開催することによって、撤退する地域にどういう効果がもたらされるのか、なくなるとどういうマイナス効果がもたらされるのか、こういうことが早い時期に知らされていく必要があったのではないかと、このように考えるわけであります。 経済波及効果の試算は、限られた財源の中で、より市民要望の強い事業の推進、地域経済を考えたときには、より波及効果があり、何よりも雇用効果が大きい事業の選択を行うために用いられるべきだと思います。来年度には次期総の議論も始まるわけですが、その中で位置づけも必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。 産・学連携への支援などを行っていきたいとも答弁がありました。中小企業施策でよく例示する墨田区と早稲田大学の事業連携に関する協定書を平成14年に結び、5年間の期間であったようです。ことし5年目となりますが、自動更新されるようです。産・学・官連携の中心として、大学の知恵を活用した地域全体の活性化を目的とする各種事業が展開されております。すみだ産・学・官連携クラブの運営、区全体を墨田キャンパスとして学生のパワーを地域振興に役立てる、もちろん共同研究やその事業化にも支援をするなど、産・学に官が連携することによって重層的な事業展開がされております。 帯広市においても産・学連携のかかわり方の工夫、そして行政のかかわり方の工夫が必要だと考えるものであります。こうした事業展開の大もとに位置するのが中小企業振興基本条例だと認識しております。協議会での協議を重ねながら、中小企業振興のための指針をつくるとのことであり、期待したいと思います。 八尾市では1998年、産業振興会議が設置され、市民や商工業者を委員として市と市民、そして商工業者との双方向のコミュニケーションを通じてコンセンサスを得ながら、施策の提言を行う場として活動が進められてきたそうです。地域の産業集積の実態把握を行う中、東大阪などと比べると地域内の企業間のネットワークや事業上の連携が活発でないこと、産業集積のメリットが十分活用されていないことが明らかになり、1999年には市内の中小企業の情報発信とネットワーク化促進のため、データベースを作成し、インターネットで発信をしているそうです。こうしたことも産業振興会議が機能していたあらわれだと思います。 墨田区では、産業振興会議でさまざま練られた提案が中小企業振興施策として具体化、振興条例ができたときには10の事業しかなかったものが、現在では100もの事業規模に発展、地域の中小企業振興に寄与しているそうでございます。そうした点からも、帯広市における中小企業振興協議会に期待もするものでございます。 産業構造が大きく変わろうとしている中で、地域経済へのマイナス影響が大きくなっている建設業への支援でございます。発注における入札方式は、総合評価方式の導入に向けたアクションプランを作成するとのことなので、その時点で議論はしたいと思います。 建設業界における仕事づくりは、ストック活用と耐震補強、福祉対応住宅への改装がこれからの大きなマーケットとなり、中小企業者の工夫と腕の見せどころだろうと思っております。建設業では、その62%が従業員4人以下の小零細企業であることから、小規模修繕登録制度など極めて有効な制度ということができます。市内の小規模事業者の受注機会を拡大、もって市内経済の活性化を図ることを目的とする制度なわけですから、答弁にあったような取組みの強化をお願いしたいと思います。 その際、4年間も経過しているわけですから、この制度の活用状況の分析、そして登録事業者への実態調査も必要かと思っております。原課によっては発注割合も大きく差異があるわけですし、なぜそうした差が出るのか、調査もして是正すべきと思います。本制度への登録事業者についても、受注状況や制度への意見、改善点などをアンケートなどのような形で実施して、より使いやすい制度へ充実させるべきだと思いますが、いかがでしょうか。 耐震改修促進計画の中で、リフォームに対する支援も検討したいとのことであります。私がこの間提案している趣旨、主題は、リフォーム助成ではなくて景気対策なんです。ですから、耐震改修促進計画が市民の方々に利用しやすくなれば、それだけ仕事がふえることになります。住宅改修は手間が多い仕事ですから、資本の域内循環率が高くなります。 問題は、先ほども申し上げたように、どの自治体を見ても耐震改修制度の利用が低調だということであります。防災について議論もしたことがありますが、個人住宅の耐震改修、これは個人資産の価値を高めるということではなくて、地震で建物が倒壊するということは、避難経路をふさいだり、あるいは火災の誘発で二次災害へと発展することになる、そうした観点からも耐震改修を促進する必要はある。そのために利用実績があるUD改修と耐震化、あるいはリフォームと耐震化など組み合わせることによって促進することができる、景気対策としても成果が期待できるのではないかと、こういう提案をしているわけでございます。ぜひ使い勝手のよい制度に検討して進めていただきたいとお願いしておきたいと思います。 社会格差を是正する仕組みが税と社会保障の仕組み、先ほども申し上げたとおりでございます。厚生労働省が作成する所得再分配調査報告書、こういうのがあるんですが、これを見ますと1981年に5.4%あった改善度、これが消費税が導入された1990年には2.9%に縮小、そして小泉内閣以降の相次ぐ庶民増税の結果、今では0.8%と、ほとんど格差が改善されない、こういう状況になってきているわけです。それどころか、住民税の増税で先ほど言ったように課税標準が200万円以下の世帯、72%も占めているわけですが、この世帯では214%と2倍以上に増税、その一方で課税標準が700万円以上の世帯、収入では1,000万円を超えるわけですが、この世帯では76%、24%も減税になる、まさに税が所得再分配どころか、低所得者から高所得者へ所得移転が税を通じて起きていると、こういう実態になっているわけであります。 なぜ所得の再分配が必要なのかということでありますが、所得格差やその結果としての貧困の発生を放置しておくと、自殺者が急増、男性の平均寿命がマイナスに転じたように、社会にとって重大な損失が発生する、こうしたことが指摘されておりますし、また犯罪が激増して刑務所が満杯になるという状態も続いているわけであります。所得格差が放置されれば、社会不安と混乱を招く結果になる、だからこそあの竹中平蔵氏でさえセーフティーネット機能の必要性を説いているわけでございます。 住民税の増税に伴う行政サービスの影響は21事業、1億8,200万円、対象者の拡充や独自軽減措置をとっているという答弁でありましたが、しかし1億8,200万円の負担増なんです。利用者の所得が上がっているわけではないわけですから、少なくとも現状維持を制度的に保障すべきだと思います。国の基準見直しということもありますが、保育料などは仕組みを見直して負担増にならないようにしているではありませんか。負担増になる世帯の多くがセーフティーネットが必要な世帯ということを考えても、必要な改善策をとるべきだと思いますが、改めて改善を求め、その考え方について伺うものであります。 安心して住み続けられるまちづくりについてでございます。 夕張市の財政破綻にかかわって、不適正な財政操作により長年赤字を隠ぺいしてきた、帯広市においては行政情報について隠すことなく市民に提供していきたい、こうした答弁でございました。北海道の調査を見てみますと、夕張市では一般会計と他会計の間で出納整理期間中に年度をまたがる会計間の貸付償還が行われていた。これらを見直した結果、普通会計において9億8,000万円もの赤字が明らかになり、これは標準財政規模44億円の2割を超える規模であり、当初予定より1年早く財政再建団体への転落となった、こうした報告がされておりました。北海道の市町村行政の中で産炭地、特に夕張の財政問題は歴代の部長、室長、市町村課長にとって重要課題であり、その困窮度ややりくりの苦境ぶりを道庁は十分に知っていたはずであります。不適切な財政手法についても、財務調査等を通じて道は十分知り得る立場にあったということを指摘せざるを得ないわけであります。 夕張問題を国策で生まれ、国の政策変更によって衰退した産炭都市としての歴史的経過や国、道の関与、責任を抜きにして、自治体一般の財政規律の緩みの問題に拡張して理解してはならないと思います。夕張問題の教訓は、今日の地方財政危機の震源地は国であり、90年代に国の経済対策のために地方財政を動員し、地方債務を膨張させた上、地方債の償還がピークとなる2000年代に償還財源である地方交付税を大幅削減、そして地方財政を危機に追いやった、こうした構図の中で財政再建団体のトップに立ったのが夕張市だったと、こういうふうに考えるべきだと思います。 夕張市の長期債務についても、2005年度までは地方債許可制度のもとで国や道が地方債発行を認めてきた責任があり、許可に際して国、道が夕張市の財政状況をどう分析していたか、このことも問われなければならないと考えております。国言いなりの地方財政運営が現在の危機的状況をつくり出しているのは帯広市も同様であり、ここにこそ夕張問題の確信があると思っております。地方自治体の責務である住民福祉の向上という一点から、地方自治を見直してみる必要があるのではないでしょうか。 新たな行財政改革については、行政の役割やあり方について見直すとの答弁、いわゆる市場化テスト法に基づく事務事業の民間化を進めるということかと思うわけでありますが、さまざまな問題を内包しております。このことについては別途議論もしたいと思います。 新たな行財政改革の前に、現在の行財政改革がどう執行されているのか、6年間の計画は折り返し、その評価と見直しが求められます。第二次行革は平成16年から6年間の財政見通しを立て、約198億円の財源不足と見通し、その対策として184億円は行革で対応するという計画でした。先ほど来の答弁にあるように、4年間の計画累計の90%が達成したということですから、行革に関しては見事な進捗率、こう言うことができます。 さて、17年度に作成された財政収支見通しでは、同じ期間の財源不足は123億円と修正されました。財源不足が75億円も圧縮されたわけですから、行革で削減する住民サービスも見直し圧縮する必要があると思います。さらに、事務事業の見直しも当然事業目的が達成されなくなったものも出てきているわけであります。その代表的なものが高齢者のバス券事業、制度を改悪するまで四十数万枚使用されたバス券が昨年は40万枚、今は1枚100円ですから、使用枚数は半分以下に減っている、予算執行率4割台で信じられないお粗末さであります。高齢者の積極的な社会参加を促すため、その支援の一助として所得制限を加えたものの、8,300万円の予算を計上していたわけであります。 私は、この利用率の低下について決算でもかなり厳しくただしてまいりましたが、市長は今回の見直しで当初の利用枚数80万枚の使用ができると思っているのでしょうか。さらには、障害者へのタクシー助成や介護タクシーとの答弁もありましたが、そこまで障害が進んでなくても、バスのステップに足が上がらないお年寄りはたくさんいるんです。先ほども言いましたが、お年寄りの社会参加が目的であり、バス事業者の助成が目的ではありません。制度の形を整えるのではなく、当初予算であった8,300万円が社会参加の促進のため活用し切るためにはどうしたらいいのか、そういう立場で考えていかなければなりません。そう考えるならば、本人の所得を対象に判断することとタクシーへの転用も可能にするということは、かなり高齢者に歓迎されると思いますが、いかがでしょうか。 なし崩し的に予算の削減を行い、利用率の低さに合わせるなどあってはならないことだと、改めて申し上げておきます。 みどりのおばさんの役割に対する市民要望の高さ、独居老人の安否確認事業の削減への批判、使用料、手数料値上げと予算未達など問題山積、市民要望を踏まえ、市民が安心・安全と思える見直しこそ行うべきだと考えるものであります。 指定管理者制度への移行も、児童保育センター分で3,750万円の財政効果と試算していたわけであります。今回のこばと託児所の破産に伴う未払いに対して、市長は初めて不安と御迷惑をかけた、申しわけなかった、こうした趣旨のことを述べました。この問題を通して、指定管理者という制度が公園管理などと同列に保育センターなど市民を対象とする事業になじむのか、不安を覚えた市民もたくさんいます。1つには民間事業者の約束不履行や経営リスクが見過ごされるという問題、2つ目には利用者や市民の意思が反映しにくいという問題、そして3つ目には雇用問題を防止する法的措置が不十分だという問題などなど明らかになってきたわけであります。こうした行革の中で発生したさまざまな問題こそ見直さなければならないと思いますが、いかがでしょうか。 市民と子供たちの安全・安心の結節点、それは学校施設の耐震化であります。校舎のDランクについては体育館の耐震補強をまつのではなく、必要に応じて進めていくとのことですから、当初の体育館の耐震補強後に行うという日程が改善されており、評価するものであります。体育館の改築が計画年次に終わらない理由、それは改築総数が当初計画を上回り、財政的に無理、そういうことだと思います。しかし、残される体育館は啓西小学校など旧耐震基準以前の建物で30年が経過しているわけであります。しかも、地域の収容避難施設ということを考えるならば、屋内スピードスケート場より優先度が高くならなければならないはずです。なぜならば、市民の安全・安心に直結する事業だからであります。 学校施設の経済波及効果について文部科学省が試算をしているわけでありますが、耐震性に問題があるすべての学校施設の補強、改築を行えば7兆9,000億円が必要、そしてこれらを重点配分すれば、高い波及効果で地域産業を活性化できると試算が国会でも示されております。さらに、この仕事に関する雇用の波及効果は347万人になり、完全失業者を吸収できるだけの効果があるという試算も発表されております。そうした点からも、学校施設の耐震化は最優先課題と位置づけるべきと考えているわけでございます。 屋内スピードスケート場の優先度がなぜ高いかわかりませんでした。無作為に市民に配布したアンケートで150人が回答を寄せました。スケート場建設に賛成は12人、8%です。どちらでもない10%、あとはすべて反対、その理由の大半は、財政が大変だからと市民サービスを削っているときに建てるべきものではないということであります。市民と子供たちの安全のために改築しなければならない学校でさえ予算が組めないと先送り、国や道の支援が確定していないのに予算化をすることも問題ですが、国や道が出すお金も税金であります。地震でつぶれない学校にするのも税金、スケート場か学校かという問題であります。 市長が老朽化だフロンだと力説しても、それ以上に大事なものがあると市民は考えているんです。だから理解が得られない。事務事業評価の見直しで、高齢者バス券や敬老会など削減した高齢者福祉をもとに戻すのに8,600万円、みどりのおばさんの復活に3,600万円、乳幼児医療費を無料化するのに6,700万円、児童の障害者福祉、これを無料にするのには2,200万円などなど考えると、60億円あればどれだけの仕事ができるのか、市民はそういう比較をしているんです。後世に禍根を残す事業は断念すべきだと改めて申し上げておきたいと思います。 ばんえい競馬の清算についてであります。 多額の債務を発生させたのは、正・副管理者の責任で重く受けとめているとのことでありました。この累積債務の発生も夕張と同じような面があると思います。先ほど市長の答弁にあった長年の赤字の隠ぺい、競馬組合の運営についても安易な繰上充用など行わず、赤字を市民の前に明らかにしながら、構成市で毎年清算をしていたならば、1年目、2年目はまあ仕方がないか、こういうふうになっていたとしても、3年目からは市民も議会も赤字の補てんは許しません。公営ギャンブルに何年も税金をつぎ込むなど認められるはずがないからです。それをしてこなかったこと、つまり正確な情報を提供してこなかったことが多額の借金となった最大の原因なんです。重く受けとめた責任をどう果たすのか、なぜ具体的に市民の前に明らかにしないのか、今回提案された赤字の清算、10億4,000万円は市民の税金で賄われるわけであります。市民に負担をお願いしているわけですから、みずからの責任のとり方についても明らかにすべきであります。改めて問うものでございます。 今回の議論を通じてつくづく感じたこと、それは帯広市の市政執行をする上で砂川市長に足りないのは、お金ではなくて福祉の心だということがよくわかりました。一般会計予算734億円余、これを福祉の心で市民の安全・安心のために使われるべき、このように改めて申し上げ、私の代表質問は終わらせていただきます。 ○鈴木孝昌議長 砂川敏文市長。 ◎砂川敏文市長 経済波及効果の試算についてでありますが、現時点では市町村単位の経済波及効果の試算を簡便に行うことは困難でございますけれども、他市の事例などの情報収集を行ってまいりたいと考えております。 産・学連携の支援についてでありますが、帯広市におきましても平成17年6月に帯広畜産大学との間で包括的連携協力に関する協定を締結しておりまして、産業の振興を初めとする6分野での連携事業を実施しているところであります。今後も帯広畜産大学や十勝産業振興センター、さらには地域に集積する試験研究機関の研究成果を生かした新技術の開発や新産業の創出など、積極的に支援をしてまいりたいと考えているところであります。 次に、所得制限を設けて提供しております各種の行政サービスにつきましては、国、それから北海道の判定基準をそのまま適用するものや国の激変緩和措置を適用するもの、さらにはこれに加えまして市独自の軽減措置を講じたものなど、サービスの性格に応じ必要な対策は講じてきたものと考えているところであります。 判定の基準を所得や税制によっております現行のサービス制度のもとでは、税制改正の都度それに伴って生じる個々の負担増のすべてに対応することは、現実的には難しいものと考えております。 小規模修繕工事の登録制度につきましては、発注実績が年々倍増しておりまして、制度として定着しつつあると考えているところでありますが、より効果的で幅広い制度としますために、これまでの実績の分析を行うとともに、関係各課の連携を進めてまいりたいと考えているところであります。 なお、登録事業者へのアンケートの件につきましては、いましばらく発注実績の推移を見ながら検討してまいりたいと考えております。 次に、行政サービスにつきましては、その時々の時代に即したあり方や多様な市民ニーズなどを的確に把握しながら提供していかなければならないものでありますことから、絶えず見直しをしていくことが大切であると考えております。 平成17年度の高齢者バス券の利用状況は、交付率、使用率ともに当初計上した予算を下回ったところでございます。いずれにいたしましても、高齢者の社会参加の促進という事業の趣旨を踏まえまして、利用促進に努めてまいりたいと考えております。 ばんえい競馬の私の責任についてのお話でありますが、新生ばんえい競馬の運営に一定のめどがついた、しかるべき時期に対処してまいりたいと考えております。 ○鈴木孝昌議長 以上で稲葉典昭議員の発言は終了いたしました。 これをもちまして市政執行方針に対する質疑並びに一般質問を終了いたします。 以上で本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれをもちまして散会いたします。         午後3時58分散会...